依頼人は死んだ No.577

収録作品  冬の物語/濃紺の悪魔  春の物語/詩人の死  夏の物語/たぶん、暑かったから  秋の物語/鉄格子の女  ふたた び冬の物語/アヴェ・マリア  ふたたび春の物語/依頼人は死んだ  ふたたび夏の物語/女探偵の夏休み  ふたたび秋の物語/わた しの調査に手加減はない  三度目の冬の物語/都合のいい地獄

再読。再登場。文庫版。前に読んだ時には、もっとそれぞれの事件がバラバラかと思った。意外とつながっている。こびとは読み返し派 なので、けっこう図書館で借りた本を文庫になるまで待って買う。これもその1冊。自分がそういうことするのは村上春樹、村山由佳なの で、ミステリーでそんなことしておもしろいか?と思ったが、本人曰く、「ボロボロになるまで読み返す自信あり」だそうだ。まぁ、貸し た本、たいていボロになって返ってくるのでボロボロまでの道のりも普通の人より短いんだろうなぁ。(03/06/22)

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若竹 七海  昭和38(1963)年、東京生まれ。立教大 学文学部卒。平成3年、「ぼくのミステリな日常」で作家デビュー。日常の生活に潜む人間の悪意に対するかわいた視線を持ちながら、決 して重苦しくならない洒落たセンスがその作品空間には常に漂っている。著書に「心のなかの冷たい何か」「火天風神」「プレゼント」「 海神(ネプチューン)の晩餐」「スクランブル」「遺品」「悪いうさぎ」「名探偵は密航中」などが ある。

文春文庫 わ 10 1(文藝春秋) 文庫 2003年6月10日第1刷 619円 デザイン 大久保明子 イラスト 杉田比呂美  解説「女探偵の四季」 重里徹也 2000年5月文藝春秋より刊行

初出  「週刊小説」 濃紺の悪魔(98年9月4日号) 女探偵の夏休み(99年8月20日号)  「小説TRIPPE R」 詩人の死(97年冬季号)  「オール讀物」 たぶん、暑かったから(93年11月号「ホリデー」改作)   「ポンツーン」 鉄格子の女(98年11月号改作)  「小説NON」 アヴェ・マリア(95年2月号加筆修正)  わたしの調査に手加減はない(99年2月号)  「別册文藝春秋」 依頼人は死んだ(228号 99年7月)  書き下ろ し 都合のいい地獄

わたしの調査に手加減はない 女探偵・葉村晶のもとに持ち込まれる事件の真相は、いつも少し切なく、少しこわい。(帯)

わたしの調査に手加減はない(巻末の最新刊案内)

念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺に苦しむ相場みのり。健診を受けていないのに送られてきたガンの通知に当惑す る佐藤まどか。決して手加減をしない女探偵・葉村晶(あきら)に持ちこまれる様々な事件の真相は 、少し切なく、少しこわい。構成の妙、トリッキーなエンディングが鮮やかな連作短篇集。 解説・重里徹也(裏表紙)

のどかそ〜な風景に喪服。という表紙 、単行本と同じ絵かと思ったら、ちょっと違った。若竹さんの作品って、まさに、のどかな風景に喪服。ってテイストだ。しかし、ラスト は、多分、のどかとは言えないでしょう。しかし、晶の調査って、ほとんどストーカー的。ドライな探偵なら金にならない調査はしないで しょ。ハードボイルドであることはクールとは対立しちゃうのか?


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2004/09/23更新