顔のない男 No.634
比較的後味が悪くなかったような。さらさららっと読めた。犯人は予想通り。根拠はないけど、アヤシイから。刑事の立場からの事件進 行とは別に、関係者の立場から挟まれるモノローグがうまい。ところで、途中で出てくるビア・バーはやっぱり「香菜里屋」か ?(03/09/04)
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北森 鴻 一九六一年、山口県生まれ。駒沢大学文学部卒。 編集プロダクション勤務を経て、執筆活動に入る。一九九五年、明治初期の名優澤村田之助を素材にした時代推理「狂乱廿四考」で第六回 鮎川哲也賞受賞。一九九九年、「花の下にて春死なむ」で第五二回日本推理作家協会賞を受賞。主な著書に「狐罠」「メビウス・レター」 「メイン・ディッシュ」等があり、いま最も注目されているミステリー作家の一人である。
文藝春秋 単行本 平成12年10月30日第1刷 1,429円 イラスト 塩谷博明 デザイン 斎藤深雪
初出 「オール讀物」 真実情報(1998年7月号) 隠語研究(1998年11月号) 堕天使考(1999年4月号) 変貌要因(1999年7月号) 赤色凶器(1999年11月号) 遠景投写(2000年3月号) 仮面幻戯(2000年7月号) 書き下ろし プロローグ 風景1〜6 エピローグ
一人の男が殺された。 被害者の足どりを追う刑事たちの焦燥は深まるばかりだった。名前も住所もわかっていながら周囲には 彼を知 るものが誰もいなかった(帯)
人はそれぞれに顔を使い分けている。職業人の顔、家庭人の顔、恋人の顔、敵対者の顔。それらがモザイクのように絡み合って、一人の 人間を構成している。いずれかの顔に殺人の動機は必ず隠れている。しかし、被害者・空木精作には、顔らしい顔がなかった――。(帯 )
なんとなく、タイトルから、正体不明
の男を想像してました。暗黒街のヒットマンみたいな。被害者だったとは。##敵を欺くにはまず、味方から
。##作戦ってわけですな。あまりぐじぐじと後味悪くない、著者の長編には珍しいタイプではないだろうか?シリーズ物はともか
く、『メビウス・レター』とか、『闇色のソプラノ』など、あまり明るい結末
とは、いえないだろう。捉え方にもよるけど…。物事見様だから。
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2005/01/03更新