あの夏、風の街に消えた No.874
前作、『夜空の向こう』はハートボイルドかと思ったら、青春群像小説みたいなもので、本作は逆でした。自分の両親を片方でも知らず に育つのは著者の世代には少ないんだろうなぁ。出自についてこだわりが強いな、って感じがしました。ちょっと前なら戦死はありえたし 、最近は離婚も増えたしそれほどでもないだろうなって感じ。独特な時代だったのでしょう。そういう区分だと同世代なんだけど、そんな に深刻に捉えたことはないなぁ。一応、主人公が過去を振り返っているという視点なんだけど、その過去で過去を振り返っているところな んかもあって、ちょっとややこしかった。子供はいないものの、いろんな世代の人が混在しておもしろかった。(05/01/01)
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香納 諒一 1963年横浜生まれ。早稲田大学第一文学部 卒。91年「ハミングで二番まで」で小説推理新人賞受賞。92年『時よ夜の海に瞑れ』(文庫版『夜の海に瞑れ』に改題)で長篇デビュ ー。99年『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞受賞。現在最も期待される正統派ハードボイルド・冒険小説の旗手である。作品は他 に『さらば狩人』『梟の拳』『ただ去るが如く』『炎の影』『天使たちの場所』『タンポポの雪が降ってた』『デイブレイク』『刹那の街 角』『夜空のむこう』など多数。
角川書店 単行本 平成16年9月30日初版発行 本体2,200円(税別) 装幀 片岡忠彦 「KADOKAWAミステ リ」2002年3月号〜2003年5月号、「カドカワeマガ」2003年5月〜2003年10月、「Web小説 野生 時代」2003年11月〜2004年5月、「風の街」として連載された作品に大幅な加筆修正を行ったもの
天安門事件、地底探検、バブル崩壊、終わりゆくホテル。淡い恋の行方と出生の秘密。そして、僕の人生が始まった夏 ノスタルジック な切なさとサスペンス 4年ぶり、待望の長篇!(帯)
僕はそこで、 人生の最初の一歩を踏み出したのだ。 あの夏、僕はまだ子供で、どこかにむかってどんな一歩を踏み出せばいいのかさ えわからずにいた。挫折を恐れ、傷つくのを恐れ、ぬるま湯の中に自分の居場所を探すような愚か者だった。人の愛し方を知らず、自分が 大切に思うものを大事にしつづけて生きていくにはどうしたらいいのかもわからなかった。世界というものが、それまで自分が思っていた よりもずっと大きくて面白いことを教えてくれたのは、あの夏のあの街だった。(帯)
まぁ、男ってのは…。##子として育てているのが自分の子かわからないだけでなく、することすれば、うっかり自分の子がどこかで育っている可
能性が否定できない。「WASABI」みたとこだし。##コワイなぁ。男でも女でも逆はあるわけだけど。不可抗力##(産院で取り違えるとか?)##もあるだろうし。スーさんとのエピソードはみんな好きです。いいなぁ。こうい
うキャラをもっと出せば売れそうな気がするんだけど。
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2005/01/02更新