ふくろうの拳こぶし THE FIST OF OWL No.475

長編なので、ちょっと遠慮していたのだが、短編を読み終わってしまったので、手にとってみた。梟、闇の世界に生きる鳥、ということ か。一つの事件を通して、一人の男が、人生の意義を再構築していく。と、言ってしまえば簡単だが、たいていの人間には、こんなでかい チャンスは与えられないし、必要に迫られないし、何より、欲しない。そして、手がけても、達成できないことも多いだろう。だのに、何 故、再構築の物語に惹かれるのか。今は、必要としないが、可能性の存在を否定したくないからか。保険のようなものなのか。なんだろう 。(03/02/07)

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香納 諒一  1963年横浜生まれ。早稲田大学文学部卒。 1990年織田作之助賞入選。91年小説推理新人賞受賞。92年、『時よ夜の海に瞑れ』(祥伝社刊)で長編デビュー。他の著書に『 石(チップ)の狩人』(祥伝社)『春になれば君は』(角川文庫)『風熱都市』(徳間書店刊行)。  ハードボイルドの時代を担う新鋭として、今、最も期待されている若手作家である。

講談社 単行本 1995年10月27日第1刷 1,893円

構想5年、渾身の900枚! 逢坂剛氏激賞!! 冒険小説の分野に新しい楔を打ち込んだ まさに一気読みの快作!(帯)

ハードボイルドという、もはや手あかのついたレッテルは、貼りたくない。 この小説は、視力とともに栄光の座を失った一人の男が、 挫折から再起を目指して徒手空拳の戦いを挑む、苛烈なビルドゥングスロマンである。主人公をはじめ、一人ひとりの登場人物が生の息遣 いとともに、行間から立ち上がってくる。荒々しさと心優しさが、絡み合って人生を織りなすこの作品は、冒険小説の分野に新しい楔を打 ち込んだ。 まさに一気読みの快作というべきだろう。 逢坂剛(帯)

「呼び屋の金」が出てくる。『ヨコハマ・ベイブルース』の。というより、こっちの金が、あっちで主役級で登場。というべきか。生き方を変 える。うーん。これを読み終わったあと、友人が趣味で事故にあい障害を負って、その趣味に携われなくなった。だからって、この本持っ てくのもなぁ。ううーん。お話と現実は違うが、私たちは作り事からいろいろなものを採集して活かせるとは思うが…。bk1、Amaz onとも表紙画像なし。


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2005/01/02更新