ヴィラ・マグノリアの殺人
若竹 七海のページへ 作品名順一覧 うへ bk1 amazon
若竹 七海 1963年、東京生まれ。'91年『ぼくのミ ステリな日常』でデビュー。主な著作に『スクランブル』『海神の晩餐』『八月の降霊会』等。 撮影・東小園文孝 ほろ苦さをつつみこ む乾いたユーモア 文芸評論家 三橋 暁 世間が眉(まゆ)をひそめた某毒入りカレー事件と違 って、若竹七海(わかたけななみ)の作品に含まれる毒は、読者を思わずニヤリとさせてくれる。作 者のミステリ作法は、人の心の奥底に潜む悪意を容赦(ようしゃ)なく暴(あば)いていくというシニカルなものだが、不思議と後味は悪くない。ドライなユーモアが、読者の心にわきあがる 絶望感をつつみこんでくれるからだ。陸の孤島とでもいうべき建売り住宅の集落で起こった殺人事件を描く新作『ヴィラ・マグノリアの殺 人』も、心の暗い部分に迫るほろ苦さと、コミカルなセンスという二つの持ち味は、絶妙のバランスを誇っている。(裏表紙) 「著者の ことば」 小さな町を舞台とし、主として誰が犯人かという謎をメインにした、暴力行為の比較的少ない、後味の良いミステリー――これ すなわち、コージー・ミステリです。私なりにコージーをやってみたいと書いた本書には、重苦しい情念の世界も、鬼面(きめん)人を驚かす類の大トリックもありません。舞台は海岸沿いの閑静な住宅地、小さなホテルとパンプキン・ス ープが名物のレストラン、古本屋さん。それぞれ一癖(ひとくせ)ありげな住人たちが、ご近所に突 如降(ふ)って湧(わ)いた謎の死体に右往左往する、犯人 捜しのミステリです。世間の憂(う)さをしばし忘れてお楽しみください。(表紙見返し)
長編推理小説 書下ろし カッパノベルズ (光文社) 新書 1999年6月30日初版第1刷 848円 カバーイラスト 杉田比 呂美 カバー印刷 半七写真印刷 本文カット 杉田比呂美 2002年9月光文社文庫刊行(bk1 amazon)
思えば、あやしい隣人ばかり…! 住民全員が容疑者に!(巻末の最新刊紹介)
海に臨(のぞ)む瀟洒(しょうしゃ)な邸宅、十棟が並ぶ 「ヴィラ・葉崎(はざき)マグノリア」。その一棟、密室状況の空家で死体が発見された。所持品も なく、顔と手が潰(つぶ)され、身元の特定は困難。聞き込みに懸( か)ける葉崎署員だが、ヴィラの住人は皆、一癖(ひとくせ)も二癖(ふたくせ)もある人間ばかり……。聞き込みのたびに、担当の一ツ橋(ひとつばし )巡査部長と駒持(こまぢ)警部補の眉間(みけん )の縦皺(たてじわ)が増えていく。そんなおり、さらにヴィラ内である人物が殺害される ! 連続殺人により、住人たちの秘められた事実が次々と明らかになり……!? 洒脱(しゃだつ )な語り口で、ミステリーの縦糸(たていと)とユーモアの横糸とでおりあげる、著者会 心(かいしん)の書下ろしミステリー快作!(裏表紙見返し)
ヴィラの住人どころか、葉崎市民はみ
んな一癖も二癖もあるような登場人物ばかり。角田港大先生…。こんな作家いたら笑える。いやいや。でも、イメージ作りって大切だよね
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2004/09/23更新