製造迷夢 No.330

収録作品  天国の花の香り  製造迷夢  逃亡の街  光明凱歌  寵愛

ほかの若竹さんの作品より人間のエグみが少ないような気がする。それが、人の残留思念が読める。という人物が登場する作品なんだか ら、逆説的なのか、そうでないのか。回想→事件調書→一条刑事に面会人という設定が、全編を通されていて、この面会人が、全て「若い 女性」なのだ。ははは。その、登場の仕方のバラバラさ加減がまたおかしい。(02/07/18)

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若竹 七海  東京生まれ。立教大学文学部卒業。1991年 『ぼくのミステリな日常』で作家デビュー。その後、『心のなかの冷たい何か』『水上音楽堂の冒険』(東京創元社)とたて続けに刊行。 最も期待されるミステリ作家の一人である。主な著書に『閉ざされた夏』(講談社)『火天風神』(新潮社)など。

徳間書店 単行本 1995年8月31日第1刷 1,553円 装幀・イラスト 北見 隆 2000年11月徳間文庫刊行(bk1 amazon

憎悪、殺意、怨念がものに宿る 人の心が読めるって しんどい! 過去透視能力のある少女と刑事のコンビが遭遇する奇妙な犯罪。( 帯)

殺人者の残留思念を 読むのは、傷つきやすい 心の探偵・井伏美潮。 「私に依頼された透視は、このテープが誰によって作られ、彼 女に届くように仕向けられたか、ということですよね。両方とも石原流名の手によるものです。間違いありません。ただわたしが物を媒介 にその持ち主の思念を透視するとき、その想いを映像にして見ているわけではないんです。わたしはその物に触れた人の残留思念を読むの 」 「残留思念?」 一条は絵利子と顔を見合わせた。 「ええ、そうです。ひとがその物に触れたときになにを考えていたか。それが物 体に残留します。わたしはそれをすくいとるってわけ」 「天国の花の香り」より(帯)

少女?あれ?まーいーや。残留思念を 読む。たとえば、今、キーボードを叩きながら、「あー今日の会議だるかったな」「はらへった」「明日こそ洗車しなきゃ」などなどとの 雑多なことを一瞬で考えるわけなんだけど、その中で、特に強く思ったことが残ったりしてるのかな。それとも、全部一気に見える(聞こ える?)のだろーか。強く思ったことが18pt太字ゴシックくらいで、ちらっとおもったことが、9pt普通とか。うーむ。北見さんの イラストがまた、いーです。不思議心を誘う。つーか、話に入りやすいイラストだ。残念ながら、bk1、Amazonとも表紙画像なし 。


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2004/09/23更新