パッサジオ No.828
ふーん。で?というところで終わってしまったぞ。DNAミュージックという発想もすごいし、延命の是非というテーマもすごい。で? なのだ。(04/09/25)
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辻 仁成 1959年、東京生まれ。福岡や帯広、函館など 各地で暮らす。89年に処女小説「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞、97年に「海峡の光」で第116回芥川賞受賞。主な作品に「 母なる凪と父なる時化」「アンチノイズ」「白仏」「ワイルドフラワー」がある。歌、写真、映画監督など多分野にわたる活動を続けてい る。
文春文庫 つ 12 1(文藝春秋) 文庫 1998年11月10日第1刷 本体390円+税 装画 野口義治 AD 大久保明子 初出 「文學界」(1994年4月号発表の原稿を基に加筆修正) 1995年11月文藝春秋より単行本(bk1 amazon)刊行
不老不死は可能なのか? 声を失った歌手は生命の謎を秘めたDNAミュージックに出会った(帯表紙側)
声を失ったロック歌手は山中の不老不死研究所に辿りついた新時代の旗手が放つ話題作(巻末の最新刊案内)
看護婦の顔が一瞬真顔に戻る。それから、患者に聞かれてはまずいのか、声を潜めて僕の耳元で囁いた。 「死を出来るだけ遠ざけさせ るんですよ」 「死を遠ざける?」 看護婦はさらに声を潜めた。 「延命の研究です」 驚いた顔をすると、彼女は笑顔を作った。そし てゆっくり会釈をし、車椅子を押して再び歩きだした。綺麗に刈られた緑の芝上を、からくり人形のようにカクカクと動いていく。僕はそ れを見送りながら、エンメイノケンキュウ、という奇妙な響きを口腔の中で反芻してみるのだった。(本文より)(帯裏表紙側)
コンサート開始直前に声を失ったロック歌手は、奇妙な魅力を放つ女医を追って、彼女の祖父が主宰する山中の不老不死研究所に辿りつ く。そこで彼が出会ったのは、生命の秘密を解きあかすというDNAミュージックを聴いて育った巨大ひまわり、そして……。圧倒的人気 の新時代文学の旗手が人間の根源に真っ向から迫った話題作。(裏表紙)
うーん。消化不良。##研究所の割には研究対象が限定してそうだし。だいたい、老いてから試したら不老研究じゃないし。美里の婚約者の登場
に必然性はあるのかとか。##まぁ、作中では不老不死というより延命って言ってるけど。思うに、延命の是非を語るか、主人公の
悩みを語るかどっちかにしたほうがよかったのでは?どっちでも今の中途半端よりマシだったと思う。
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2005/02/27更新