レクイエム Requiem No.301
収録作品 彼岸の風景 T 時の迷宮 ニライカナイ コヨーテは月に落ちる U 都市に棲む闇 帰還兵の休日 コンクリートの巣 V そして、光へ―― レク イエム
連作短編集とは、ちょっとちがうのだろうけれど、組曲のような作品集だ。で、たまたまなんだけど、この本の帯に、「夏の災厄」「カ ノン」「ハルモニア」の紹介がある。バッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら読んでいたこの作品集の帯に、「バッハのカノン」や「チェ ロ」が出てきて妙な気持ちになった。ゴールドベルグ変奏曲を聞いていたときは、「絶叫城殺人事件」で、スコット・ロス版がかかったり 、「パンプルムース家の犬」の訳者が、マグリーヴィ編「ゴールドベルグ変奏曲」を主な訳書にしていた。そういう偶然って面白い 。(02/06/21)
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篠田 節子 1955年(昭和30年)東京都生まれ。東京 学芸大学を卒業後、八王子市役所に勤務する。90年「絹の変容」で小説すばる新人賞を受賞し作家活動に入る。97年には「ゴサインタ ン―神の座―」で山本周五郎賞を、続いて「女たちのジハード」で第117回直木賞を受賞。「神鳥」「聖域」「夏の厄災」「弥勒」「レ クイエム」「百年の恋」など、緻密な取材がもたらす力強さと独特な耽美性をもつ作品に定評がある。
文春文庫 し 32 5(文藝春秋社) 文庫 2002年4月10日第1刷 476円 写真 おおくぼひさこ 装丁 関口聖司 解 説 大倉貴之 1999年1月文藝春秋社より単行本(bk1 amazon)刊行
心には とうに穴があいている…… 日常に潜む 「あちら側」への 6つの扉 私の見ている世界は本当に現実なのだろうか?( 帯)
「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の叔父から託された奇妙な遺言。謎の答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。衝撃的 な事実が神秘の世界を呼び起こす表題作ほか、幼児虐待の不気味さを描く「コンクリートの巣」など、別世界への扉を開けてしまった孤独 な現代人の心の闇に迫る六つの幻想短編集。解説・大倉貴之(裏表紙)
これは…「幻想短編集」でいいのだろ
うか?確かに、幻想的な短編もあるが。「コンクリートの巣」なんか本当にありそうだ。別世界、といえば、別世界だけど
。
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2005/02/27更新