愛逢い月めであいづき No.482

収録作品  秋草  38階の黄泉の国  コンセプション  柔らかい手  ピジョン・ブラッド  内助

幻想と現実の中間をさまよう瞬間の方が、どちらか一方のさなかより恐ろしいのかもしれない。恋愛も、終わりかかるところから終わる ところまでの方が、終わってしまってからよりもおそろしいのかもしれない。いや、片方だけが終わっている方がおそろしいのか。なんだ な。(03/02/19)

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篠田 節子  一九五五年、東京都八王子生まれ。東京学芸大 学卒。九〇年「絹の変容」で第三回小説すばる新人賞を受賞。九六年「ゴサインタン」で第一〇回山本周五郎賞、九七年「女たちのジハー ド」で第一一七回直木賞を受賞。

集英社文庫 し 23 3(集英社) 文庫 1997年10月25日第1刷 438円 装画 村松公嗣 装丁 木村典子 解説 小 池真理子 1994年7月集英社より単行本(bk1 amazon)刊行

甘く切ない恋の至福のときは短くて、頂点を極めた後には、ただ、執着と妄想に満ちた長い時間が続くだけ……。かつての恋人と共に、 死者の世界を永遠にさまよう甘美な地獄を幻想的な筆致で描く「38階の黄泉の国」。出ていった男を待ち暮らす寂しい女の危うい心理を 追う「ピジョン・ブラッド」など、恋と、恋の残滓の中にひそむ、恐怖とサスペンスとミステリーを描く愛の終わりの物語全6編。(裏表 紙)

「柔らかい手」だけはどーもね。結末 まで見えたような気がしてだらだらと読んだ。他はおもしろかった。現実に近しいところにある「秋草」「内助」が最初と最後を飾るのも うまい。bk1は表紙画像なし。


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2005/02/27更新