灰色の砦 建築探偵桜井京介の事件簿 No.883

久しぶりの建築探偵シリーズ。後発作を既に何冊か読んであるので、あぁ、何度も言及されていた事件。という感じです。まぁ、内容は 語られることはなかったので、普通に最初からとりあえず、回想録だからしばり(語っている人間は過去の事件で死なない)はあるものの 、まっさらの状態で読めました。ライトの人生が検証されるところがおもしろいです。同時に、他の人物の人生も。登場する建築物に特に 由来はないようですが、建築探偵の名にふさわしい活躍ぶり?でした。深春と京介が出会った事件で、深春が語り手なので、他のシリーズ ではあまり出てこない、深春の京介への第一印象とかおもしろかった。(05/01/09)

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篠田 真由美  1953年東京都生まれ。早稲田大学第二文 学部卒、専攻は東洋文化。1991年に『琥珀の城の殺人』が第2回鮎川哲也賞の最終候補作となり、作家デビュー(講談社文庫所収)。 1994年に建築探偵・桜井京介シリーズ第一作『未明の家』を発表。以来、傑作を連発し絶大な人気を博している。シリーズは他に『玄 い女神』『灰色の砦』(本書)『原罪の庭』『美貌の帳』『桜闇』『仮面の島』『月蝕の窓』最新刊『綺羅の柩』がある。番外編として蒼 を主人公にした『センティメンタル・ブルー』も発表している。

講談社文庫 し 54 7(講談社) 文庫 2002年9月15日第1刷発行 本体752円(税別) カバーデザイン 岩郷重力   カバー写真 Bettmann/Corbis/amana images 作図 風来舎 「解説――建築探偵の回想」 鷹城宏 1996年7月講談社ノベ ルス(bk1 amazon)として刊行したものを一 部改筆

19歳の冬、我らが桜井京介と栗山深春は「輝額荘」という古い木造下宿で運命的(?)な出会いをとげた。家族的で青春の楽園のよう に思われた「輝額荘」。しかし住人の一人・カツが裏庭で変死したことから、若者たちの「砦」に暗い翳( かげ)が忍び寄る。続いて起こる殺人事件。その背後には天才建築家・ライトの謎が?(裏表紙)

なんとなく、深春がいたところへ京介 が突然やってきたのかなぁ。と想像していたので、意外な展開でした。今とあまり生活変わってないような。学生とフリーターって境目難 しいなぁ。


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2005/03/06更新