風精ゼフィルスの棲む場所 No.952

舞の描写がすばらしい。ゼフィルスの描写も。話のオチについては、うーん。まぁ、許容範囲内。かなぁ。杉ばかり植えるのがどういけ ないのか。というのがためになりました。花粉症の人に教えてあげました。まぁ、その時にはこんな大変なことになるって分からなかった んだよね。多分、経済効果はすごいだろうけど。という話でした。なんとなく、関西は杉が少ないイメージだったので、北山杉。そういえ ばあったな。くらいの感じでしたが。杉林の描写とブナ林の描写もそれぞれよいところを綺麗に切りとって美しく仕上げてあります。杉だ けの林の弊害もきちんと書かれた上で。別に環境小説じゃないけど、舞の話も蝶の話も繋がるような気がしました。目には見えない、つな がり。(05/04/03)

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柴田 よしき  1959年東京生まれ。青山学院大学を卒業後、95年に『RIKO  女神の永遠』(角川文庫)で第15回横溝正史賞を受賞。ハードボイルドから本格ミステリ、SF、伝奇、ホラーにいたるまで、幅広い 作風で多くの読者に支持されている。主な著書に『少女達がいた町』(角川文庫)、『象牙色の眠り』(廣済堂出版)、『桜さがし』(集 英社)、『フォー・ユア・プレジャー』(講談社)、『淑女の休日』(実業之日本社)など。また、アンソロジー『密室殺人大百科』(原 書房)にも猫探偵正太郎シリーズ作品を寄せている。 柴田よしきホームページURL http://www.ceres.dti.ne.jp/~shibatay/  E-MAIL:shibatay@ceres.dti.ne.jp

ミステリー・リーグ 原書房 単行本 2001年8月7日第1刷 本体1,600円+税 装幀 スタジオ・ギブ(川島進) 装画  安藤克昌

浅間寺竜之介はサスケとともに、京都北山をさらに分け入った地図にない村≠ヨやって来た。村で行なわれる奉納の舞をぜひ見て欲し いということだった。舞手はすべて若い女性で、祭りの前日に、近親を集めて最後の稽古舞が披露された。悲劇は舞の終幕とともに始まっ た。舞手のひとりが、衆人環視の下、しかもわずかな時間の隙に、刃物で胸を一突きにされて殺されたのだ。「どう考えても犯人がいない んです」竜之介はやがて、ある可能性に気付くが……。美しくも切ない痛み、「消えた乙女の伝説」、そしてゼフィルスの棲む場所とは… …。狂おしいほどの哀惜を封じ込めた本格長編ミステリ。(見返し)


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2005/04/17更新