奇跡の島 No.28
稲越 功一 写真。文だけでなく、写真も楽しめます。運命とか、奇跡とかを自分の中にゆっくり消化できそうな気持ちが湧いてくる 。(01/02/26)
心の休日に(読書日誌21−30へのコメント)
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鷺沢 萠 一九六八年、東京生まれ。上智大学外国語学部除 籍。「川べりの道」で文學界新人賞を受賞しデビュー。著書に『さいはての二人』『失恋』など多数。
角川文庫 さ 24−7(角川書店)11859 文庫 平成13年2月25日初版発行 本体600円(税別) 写真 稲越功一 カバー&本文デザイン 松岡史恵 カバー 旭印刷 1994年12月朝日出版社よ り刊行した単行本(bk1 amazon)を文庫化
あれからどれくらいの時間が流れたのだろう。それを数えるのをやめてから、どれくらいの時間が流れたのだろう。 沈みゆく太陽、消 えない記憶。――この風景を忘れないでいような、真理子。 あの人はそう言った。そうしてほんとうに、あの太陽は自分にとって忘れ得 ないものになった。奇跡は決して起こらないから、奇跡なのだ――。 鷺沢萠の小説と稲越功一の写真が織りなす愛と死の永遠の物語。( 裏表紙)
なんとなく、『大統領のクリスマスツリー』の##夫の不倫発覚シーンと、こちらの主人公が事故現
場から逃げ出すシーンが重なりました。これから夫婦になるのだ。と、感じたすぐ後に、その相手から逃げ出す方を選ぶというのはどんな
気持ちなのでしょう。きれいごとかもしれないけど、お金を与えるより大事なことってあったんじゃないかと思います。でも、一瞬で夫と
重荷を別のものとすりかえることを決意するのはどんな想いなんだろうなぁ。自分がいなくなれば、夫の会社は助かる。夫の心のことはわ
からないけど、事故だとしたらあきらめてもらうしかない。##うーん。苦労したことなかったから逆に自分だけが苦労することを
選べたのかもしれない。同じ岐路に立ったされたら、多分、同じ選択はできないなぁ。##こんな事故で二人して
助かるんだから、絶対にこれからいいことがある!##と、思うけどなぁ。なんということはない日常のような光景から始まって、
その人物の人生にせまる。稲越功一さんの写真が心につまる表紙です。
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2005/03/13更新