大統領のクリスマスツリー
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鷺沢 萠 1968年東京生まれ。高校3年生のときに書い た「川べりの道」で、87年に文學界新人賞受賞。92年には「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞した。著書に「月刊サギサワ」「夢を見ず におやすみ」「F」などがある。
講談社文庫 さ 62 1(講談社) 文庫 1996年10月15日第1刷発行 320円(本体311円) カバーデザイン 山口 昌弘 解説 俵万智 1994年2月講談社より刊行した単行本(bk1 amazon)を文庫化
ワシントンで出会った日本人カップルの愛と悲しみを描いた名作。映画化で話題の小説(巻末の最新刊案内)
これがね、大統領のクリスマス・ツリー。治貴(はるき)の言葉は香子(きょうこ)の耳の奥に今でも残っている。ワシントンで出会い、そこで一緒に暮らし始めた二人。アメリカ人でも難関 の司法試験(バー・エグザム)にパスし弁護士事務所(ロー・フアー ム)でホープとなった治貴。二人の夢は次々と現実となっていく。だが、そんな幸福も束の間……。感涙のラストシーン!(裏表紙 )
映画化されて話題になった覚えがなん
となくあります。##家庭に恵まれず、幸せな家庭を築きたかった治貴の方がそれを壊す##という皮肉さ
がなんともいえません。望むとも望まずとも、恋はやってきてしまうのでしょう。作中、二人の人生を一枚の布を織ることに例えています
が、だとしても、人は二人で一枚の布を紡ぐのではなく、自分で自分の布を紡ぐしかなく、その中にお互いの姿を織り込むものなのかもし
れません。そして、相手の布に自分が織り込まれないとしても、それはもう、どうしようもないのかもしれません。まぁ、人生はモノを例
えるってのもなんですけどね。
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2005/02/26更新