奇巌城 L'AIGUILLE CREUSE No.929
あまりにも有名なルブラン原作のルパンシリーズが原作。原作を読んだことがあるかないかもう思い出せない。小学校の図書室において あったとしたら絶対に既読なんだけど。ルパンシリーズ、読んだことは読んだけど、テレビのルパン3世の記憶のほうが幅を利かせている 。そのせいか、ルパン一味の脅迫状の非情さ、逆にルパン本人の怪盗紳士ぶりになんとなく、「え?こんなんだっけ?」と戸惑いながら読 む。少年が主人公で、その彼の「大怪盗と対決するんだ!」という気負いが微笑ましい。講談社文庫だけど、ぜひ、小学生のときに出会い たかったような1冊です。(05/02/28)
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逢坂 剛 1943年東京都生まれ。中学時代から探偵小説 、ハードボイルド小説を書きはじめ、’80年『暗殺者グラナダに死す』でオール読物推理小説新人賞を受賞。ギターとスペイン内戦を扱 った『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞受賞、第5回日本冒険小説協会賞をトリプル受賞。著書、『イ ベリアの雷鳴』(講談社)、『牙をむく都会』(中央公論社)、『配達される女』(集英社)、『禿鷹の夜』(文藝春秋)、『熱き血の誇 り』(新潮社)ほか。
講談社文庫 お 47 17(集英社) 文庫 2004年8月15日第1刷発行 本体552円(税別) 原作 モーリス・ルブラン (Maurice Leblanc) カバー装画 長崎訓子 カバーデザイン 守先正+桐畑恭子 解説 池上冬樹 1999年8月講談社より刊行の 『痛快世界の冒険文学 23 奇巌城』(bk1 amazon)を2002年6月再編集 したソフトカバー版『逢坂剛の奇巌城』(bk1 amazon)を改題
神出鬼没の怪盗ルパンvs.天才高校生探偵。不朽の名作の醍醐味そのままに逢坂剛が語る!(巻末の最新刊案内)
謎の古城に眠るフランス王家ゆかりの秘宝。それを狙うは神出鬼没の怪盗ルパン。マリー・アントワネットが残した羊皮紙の暗号を手が かりにルパンを追う天才高校生ボートルレ。宿敵ガニマール警部、名探偵シャーロック・ホームズまで登場! ルブランの最高傑作を、血 沸き肉躍る興奮そのままに大胆に翻訳!(裏表紙)
翻訳とありますが、超訳状態。語り手
は探偵で統一されている。原作ではホームズとはっきり言ってなかったものを言い切っている。ホームズファンはこれを読んでどうなんだ
。という点は原作とあまり変わりないかなぁ。でも、多少扱いが丁寧。推理とサスペンスというより、少年が主人公なだけあって、冒険も
のとしての色合いが濃いと思う。どちらにしても、おもしろかった。