情状鑑定人 No.928
収録作品 情状鑑定人 非常線 不安なナンバー 都会の野獣 死の証人 逃げる男 暗い川
祝田が活躍する「情状鑑定人」、『裏切りの日々』を思い起こさせる「逃げる男」、斉木と梢田が活躍?する「暗い川」など、サービス 一杯な1冊。逆にシリーズはまとめてくれよ。という感じもするが。タイトルから精神鑑定がらみの1冊かと思ったが、そうでもない。あ る意味共通点のようなものがあるとしたら、裁きを下す側が必ずしも全き善とは限らない。ということか。(05/02/28)
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逢坂 剛 1943年、東京生まれ。中央大学法学部卒業後 、広告代理店に入社。80年、『暗殺者グラナダに死す』で第19回オール讀物推理小説新人賞受賞。87年、『カディスの赤い星』で第 96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞受賞。97年より執筆に専念。著書に『水中眼鏡(ゴーグル )の女』『燃える地の果てに』『デズデモーナの不貞』『禿鷹の夜』『無防備都市 禿鷹の夜U』『銀弾の森 禿鷹の夜V』『重蔵 始末』『のすり(Kaiju注:原文では「狂」の下に「鳥」という字)の巣』などがある 。
文春文庫 お 13 8(文藝春秋) 文庫 2004年5月10日第1刷 本体581円+税 写真 DYSK 装丁 関口聖司 解 説「一筋縄ではいかない人間≠描く」 香山リカ 1985年4月双葉社より単行本(bk1)、1988 年2月集英社文庫(bk1 amazon)刊行
書店社長の娘が誘拐されるが、間もなく犯人は捕まり、少女は無事保護される。犯人は書店の従業員だったことが判明するが、七年前に 妻殺しと放火の罪で服役していた――。男の情状鑑定をめぐり、家庭裁判所の女性調査官と精神医学者が過去の事件を調べていくうちに、 意外な事実が明らかになっていく。 解説・香山リカ(裏表紙)
鑑定人の精神状態が必ずしも安定して
いるとは言いがたいところに、おもしろさを感じます。安定…はしているのかな。変な形で。祝田、斉木・梢田コンビに限らず、他の話も
必ずしも警察側が全き善というわけではないところがおもしろいです。傾向としては推理よりサスペンス。犯人が最初から割れてる場合も
多いので。というか、犯人側からの話も結構あった。