夜のピクニック No.964

「歩行祭」。ただ歩くことがなんで祭なのか。終わってみれば確かにそれは祭だった。というような行事でしょうか。祭なのかどうか見 極めようとしているうちに終わる。のかな…。誰も死にませんが、謎解きはあります。でも、謎解きというよりやっぱり、青春小説なんだ ろうな。登場人物ほとんど高校生だし。懐かしいような恥ずかしいようなキモチになるところもあり。あったなぁ。なかったなぁ。と自分 と比べたり、話に引き込まれたりするうちに終わるお祭です。(05/05/05)

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恩田 陸  1964年、宮城県生れ。早稲田大学卒。92年 、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。活字でこんなことが出来るのか、という驚きと感動 を提供して注目を浴びる。ホラー、SF、ミステリなど、既存の枠にとらわれない、独自の作品世界で沢山のファンを持つ。著書に、『球 形の季節』『三月は深き紅の淵を』『光の帝国 常野物語』『図書室の海』『禁じられた楽園』『Q&A』などがある。

新潮社 単行本 2004年7月30日発行 本体1,600円(税別) 挿画・挿画 唐仁原教久 装幀 新潮社装幀室 初出 「小説新潮」2002年11月号〜2004年5月号(隔月連載)

上手く言うことなんてできない。きっと、分かってもらえないだろうとも思う。 でも、あの一夜の出来事は、紛れもない奇蹟だった。  ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説(帯)

夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。 生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想 い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算 するために――。今までに誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前には、アメリカへ転校したかつてのクラスメイトか ら、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖(ちん)入者、積み重なる疲労。気 ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る――。(帯)


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2005/05/17更新