黄金きん色の祈り No.326

つーかーれーた。まず、表紙の絵、「十字架を背おう」という煽り文句。戦争モンかと思った。10数年以上前の事件が発端。そして、 主人公がどんどん成長してゆく。いや、単に年を重ねてゆくと言った方がより正しいのか?主人公の内面というか、考えを、後日、反芻し 、反省しているので、読んでいて疲れることこのうえない。確かに事件そのものは不思議だし、解決もすっきりしている。でも、主人公の 心の問題の解決はどーなんだ?よくわからんぞ。反省すりゃ成長するってモンじゃなし。(02/07/19)

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西澤 保彦  1960年高知県安芸市生まれ。高知大学助手 などを経て、執筆活動に入り、「聯殺」が90年の第一回鮎川哲也賞最終選考候補作となる。95年「解体諸因」(講談社)を発表。以来 、奇想天外な舞台設定、濃密な論理構想力で多くのミステリーファンを虜にしている。

文藝春秋 単行本 1999年3月30日第1刷 1,810円 装画装丁 天野天街 AD 石崎健太郎 2003年11月文藝春秋 より文春文庫として刊行(bk1 amazon

誰が十字架を背おうのか アルト・サックスの盗難から始まった悲劇の連鎖 輪舞する奇想!慟哭の結末! ミステリ界の鬼才 期待の 書き下ろし長篇――(帯)

荒れ果てた廃校で 天才ミュージシャンが 非業の死を遂げた。 遺体の傍には 級友のアルト・サックス。 紙は彼ひとりに味方し  欲しいもの全てを 手にした青年の惨劇。 死の背後に見え隠れする 「青春の罠」とは?(帯)

この前の日に『夏の夜会』を読んだので、「廃屋となった校舎」が舞台。ってのがまたぁ?って、まず思った。ま、舞台以 外は全然似てないですが。もちろん、同じ著者なんで、共通点みたいなものはある。##今回も、子供の頃から2 0年以上たって解決をみる。という点で。主人公が、留学し創作学科を出、講師になり、推理作家になる。え?自叙伝的小説ってやつ? ?##と、思いながら帯を見返してもんなこたぁ、これっぽっちも書いてない。主人公が、どうやら過去を振り返っている、しかも 、全てが終わってからどっかの時点で。##ただ、振り返るだけでなく、過去を振り返っている過去をさらに振り 返っているような描写があって、混乱する。この辺は『夏の夜会』と似てる。事件に関わりがないという立場で過去を振り返った。という 過去をさらに先の時点からまた振り返る。##むつかし。


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2004/09/12更新