夏の夜会 No.325
読んでいる途中、なんども、「あ、そうそう、40代の人の話だった。」と、考えた。多分、イラストの二人の絵が、わかそーに見える からだと思う。わかいっても、20代後半から30代前半って感じだけど。自分の中のカッパ・ノベルス的でない装幀だったので、よけい 強烈だったのかも。オレンジだし。そーすると、主人公が、この年代だってことに、記憶が改ざんされたりして。被害者は記憶 。(02/07/18)
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西澤 保彦 1960年高知県生まれ。米エカード大学創作 法専修卒。高知大学助手などを経て、執筆活動に入る。1995年『解体諸因』でデビュー。以後、徹底的な謎解きを信条とした本格推理 小説を次々と発表。奇抜な発想と、キャラクター造形の巧みさにも定評がある。『七回死んだ男』『瞬間移動死体』『麦酒の家の冒険』『 ストレート・チェイサー』『依存』『夢幻巡礼』など、著作多数。 著者のことば 本格ミステリは人間の記憶の確実性に拠所する (と いうより、それを大前提とする)特殊ジャンルです。 従って、推理のためのデータとなるべき肝心の情報(=記憶)が、 いかに恣意的 で曖昧であるかをミステリ作品の中心的なテーマに据えることは 自己矛盾であるばかりでなく、その試み自体、 大きな恣意性に拠所せ ざるを得ません。 そういう意味では、この『夏の夜会』という作品そのものが、 ひとつの錯誤≠ネのかもしれません。 ただ、作者 の願いはひとつだけ、錯誤でも何でもいいから、 読者諸氏に少しでも楽しんでお読みいただけますように。(見返し)
カッパ・ノベルス(光文社) 新書 2001年9月25日初版1刷 800円 カバーデザイン 泉沢光雄 イラスト 安彦麻理絵 目次・扉絵デザイン 泉沢光雄 扉カット 安彦麻理絵
この夜会の主役は、記憶だ。呼び起こされ、 捩じ曲げられる記憶たちだ。 真実と錯誤は輪舞曲のように交錯し、 事件の様相を二転 三転させる。 その先にあるのは、驚愕と悔悟、そして再生。 「夏の思い出」はあまりにも苦い。 太田忠司(裏表紙)
完全に忘れてたはずの事を何かのキッカケで 突然思い出す事ってある。 ヤな思い出に限ってそうだったりして、 ヘタあ怪談よりも よっぽど薄気味悪かったり、 後味悪かったりする。因果にふりまわされる この物語の主人公は、不幸だ。 安彦麻理絵(裏表紙 )
いたな、こんな主人公。どこだっけ?
##『瞬間移動死体』だ。こっちの方がへーわな家庭?らしいけど。##忘れていた殺人事件の被害者が、
##実は死んでなかった。どころか犯人だぁ!それに行き着くまでに、また一人、死んだはずなのに生きてた人が
出て、##記憶の不確かさをこれでもか、これでもかぁ〜!!!と、手を変え人を変えて示す。うりゅりゃぁ!ってくらい。#
#なのに、事件は真の記憶(そう呼ぶべきものはあるのかどうかも疑問な設定だが)を二人が呼び起こすことで終
わる。新聞、事件調書などじゃないのだ。未解決な事件を扱ったんだから。井口、エキセントリック、更年期障害じゃすまんぞ。#
#でも、きっと、こーゆー人は、枕を高くしてすやすや寝て、さらに長生きなんだ。偏見だけど。あれ?自分のことだったり?ここに出て
くる姓って実在?するんだろうか。実在しないなら、すごい創作力だ。記憶がテーマなせいか、作中、ところどころに「あとで考えると」
というような回想を表すような文が多用されていたように思う。よけいに時制がややこしくなってる。
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2004/09/12更新