被害者を捜せ! Pick Your Victim No.361
「七人のおば」とよく似た構成、というか、あっちがこっちに似ているというのか。本土で起こった事件、限られた情報が伝えられ、被 害者候補と加害者(「七人…」では加害者候補)をよく知る人物が、第三者に過去にどんな事件があったか語る。そして、第三者が客観的 に被害者を当てる。という構図。「七人…」のほうが、被害者+加害者探しな分、グレードアップか?ただ、ある特異な家庭の話よりも、 ある会社の話のほうが、おもしろかった。邦訳は、犯人探し以外のものばかりのようだ。(02/08/28)
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Pat McGerr パット・マガー 編集職を経て、一九四六年、 『被害者を捜せ!』を発表。弱冠二十九歳でものしたこの長編は、犯人でなく被害者を捜すという斬新な趣向が大反響を呼んだ。以後も工 夫を凝らした作品を次々と著したが、鮮やかな人物造詣といい、ドラマティックな展開といい、秀れて現代的なミステリ作法の持ち主だっ たといえる。代表作に『四人の女』や『七人のおば』などがある。
創元推理文庫 M マ 5 2(東京創元社)164 02 文庫 1984年2月3日初版・2000年4月14日9版 680円 訳 中野圭二 カバーイラスト 朝倉めぐみ カバーデザイン 矢島高光 解説 折原一 献辞 ジョセフに 1946
第二次大戦下、異境の地に駐屯していたぼくたち海兵隊員は、活字に飢えていた。ある日、隊員の一人が故郷(くに)からの小包みを受けとり、詰め物に使われていた新聞紙をみんなで回し読みしていると、何と、ぼくが四年間 勤めていた<家事改善協会>内での殺人事件の記事にぶつかったではないか。ところが、新聞紙が途中でちぎれているため、犯人はわかっ ても被害者が皆目わからない。そこでぼくが協会にいたころの話をして、その後みんなで被害者当ての賭をしようということになった。い ったい誰が殺されたのだろうか……『探偵を捜せ!』をはじめ、読者の意表をついた作風で有名なマガーお処女作!(p1)
第二次大戦下、異境の地に駐屯するぼくら海兵隊員の唯一の楽しみは、故国からの新聞や雑誌を回し読みすること。そんなある日、新聞 で、出征前に勤めていた<家事協>でぼくのボスが殺人を犯したのを知った。でも、記事がちぎれているので誰が殺されたのかがわからな い。そこで、ぼくの話をもとにみんなで被害者捜しをする運びに……。『七人のおば』の作者の新鮮なデビュー作!(裏表紙 )
斬新な視点からのデビュー作。という
ことで。『七人のおば』では、被害者と加害者の両方(どのおばが夫を殺したのか)を推測するわけだが、
この作品については、すでに加害者が分かっている。『七人のおば』同様、事件に関係のある人物について
よく知る主人公が、彼らについて過去の視点で語り、それを、現在主人公の近くにいる人間が推理するという趣向だ。
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2005/01/09更新