語り女たち No.942

収録作品  緑の虫  文字  わたしではない  違う話  歩く駱駝  四角い世界  闇缶詰  笑顔  海の上のボサノヴァ   体  眠れる森  夏の日々  ラスク様  手品  Ambaravaliaあむばるわりあ  水虎  梅の木

さらさらと読める1冊。御伽噺みたいなものだった。1作1作に盛り上がりとオチのようなものはあるものの、全体を通してはない。タ ネとか仕掛けとかは。ない。と思う。主人公が募集広告を売って、やってくる女たちに1つ話をしてもらう。その話は御伽噺っぽいが、女 たちが語り始めるまでの情景は詩のようです。すごい感性だなぁ。時に季節が移り変わる描写は圧巻です。(05/03/20)

北村 薫のページへ 作品名順一覧 かへ 読書日誌へ bk1 amazon


北村 薫  一九四九年、埼玉県生まれ。早稲田大学卒。大学 ではミステリ・クラブに所属。八九年「覆面作家」として、『空飛ぶ馬』でデビュー。九一年、『夜の蝉』で、日本推理作家協会賞を受賞 。作品に『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』(以上五作「円紫さんと私」シリーズ)、『覆面作家は二人いる』のシリーズ、『スキップ 』『ターン』『リセット』『盤上の敵』『街の灯』『謎のギャラリー』『詩歌の待ち伏せ』など。

新潮社 単行本 2004年4月15日発行 本体1,600円(税別) 装画・本文イラスト 謡口早苗

初出  「小説新潮」 緑の虫 文字(平成14年4月号) わたしではない 違う話(平成14年7月号) 歩く駱駝(平成 14年10月号) 四角い世界 闇缶詰(平成14年12月号) 笑顔 海の上のボサノヴァ(平成15年1月号) 体(平成15年4月 号) 眠れる森(平成15年7月号) 夏の日々(平成15年8月号) ラスク様(平成15年10月号) 手品 Ambaravalia(平成15 年12月号) 水虎 梅の木(平成16年1月号)

微熱をはらむその声に聴き入るうちに、 からだごと異空間へ運ばれてしまう17話。 色とりどりの、<謎>ものがたり。(帯)

体験したり、人づてに聞いたりした、比較的単純なことを、飾り気なく話していくのが物語の原点でしょう。『語り女たち』は、物語の 懐かしい故郷に帰り、その山裾や川べりや辻を歩くつもりで書きました。題名が示す通り、語り手となるのは女性たちです。書きながら自 分もまた、こだまを聞くように、彼女たちの声に耳を傾けていたのだたと思います。 北村薫(帯)


著者名順一覧 き 
2005/03/27更新