孔雀狂想曲　Ｎｏ．５３３

『狐闇』に登場した雅蘭堂の越名が主人公。骨董の旗師、目利きの陶子とはまた別のアプローチから古物商を描く。目利きというわけで はないが、妙なカンがある、鼻が利くでもいうのか、そういう役どころの越名の、陶子とはまた違った角度からの、しかし、同じような愛 情を感じさせるモノへのアプローチが心ほどく１冊。という感じです。（03/05/09)

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北森　鴻　　１９６１年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学 科卒業。’９５年『狂乱廿四考』で第６回鮎川哲也賞を受賞。’９９年『花の下にて春死なむ』で第５２回日本推理作家協会賞（短編部門 ）を受賞。その他の著書に『狐罠』『凶笑面』『メイン・ディッシュ』『顔のない男』『親不孝通りディテクティブ』『蜻蛉始末』『共犯 マジック』などがある。

集英社　単行本　２００１年１０月３０日第１刷　１，７００円　装幀　川島進（スタジオ・ギブ）

初出　　「小説すぱる」　ベトナム　ジッポー・１９６７（１９９９年５月号）　ジャンクカメラ・キッズ（１９９９年９月号 ）　古九谷焼幻化（２０００年２月号）　孔雀狂想曲（２０００年５月号）　キリコ・キリコ（２０００年９月号）　幻・風景（『殺・風 景』を改題　２００１年２月号）　根付け供養（２００１年５月号）　人形転生（２００１年８月号）

ひとつ、ひとつ……　「もの」の記憶　「人」の過去　古美術の周囲にうごめく、　人間の欲望や心の闇。　悪意と策略が偶然を装い、 　目利きのもとを訪れる。　骨董店・雅蘭堂を舞台にする　ミステリー短編集（帯）

越名集治が営む骨董店・雅蘭堂には、様々なものが、　人々の思いをいっぱいにつめて集まってくる。　古いジッポーが、老人の謎に満 ちた過去を呼び覚ます。　少女と祖父のふれあいを描く『ベトナム　ジッポー・１９６７』。　鉱物標本にこだわる男がもたらした、奇妙 な殺人事件…　『孔雀狂想曲』、など８つの短編。（帯）

初出誌の時期をみると、どうやら『孔 雀狂想曲』の主人公が『狐闇』に出演。といった感じのようです。

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2005/01/03更新