屋上物語 No.575

収録作品  はじまりの物語  波紋のあとさき  SOS・SOS・PHS  挑戦者の憂鬱ゆううつ   帰れない場所  その一日  楽園の終わり  タクのいる風景

最後の一話の位置づけが…よくわからない。無機物が事件を語る、宮部みゆきの『長い長い殺人』では、財布たちだったけど、この話は 、屋上にあるものたち。探偵役は別にいるが、これまた、屋上の付属品かのような存在。(目立たないというわけでなく)趣向はおもしろ く、楽しんだが、4話以降のつながり以外は、ちょっとしっくりこない気がした。(03/06/22)

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北森 鴻  一九六一年、山口県生まれ。駒沢大学卒業。九五 年『狂乱廿四考』で第六回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。以後、民俗学、骨董(こっとう)の 世界、脳医学など、様々なジャンルに材を採ったミステリーを発表する。九九年、「花の下にて春死なむ」で第52回日本推理作家協会賞 を受賞。著書に『緋友禅』『桜宵』など。

長編推理小説 ミステリー 祥伝社文庫 き 15−1(祥伝社) 文庫 平成15年6月20日初版第1刷 590円 カバーデザイ ン ランドリーグラフィックス 金台康春 カバーイラスト 宮嶋康子 解説「――屋上物語、「さくらスペシャル」説」 愛川晶 平成 11年4月祥伝社ノン・ノベルから新書判で刊行されたものに、「小説non」2001年1月号に掲載された「タクのいる風景」 を加えたもの

デパートの屋上には 怪事件がいっぱい! ほろにがくて 切ないミステリー(帯)

デパートの屋上で起こる難事件をさくら婆(ばば)ァが名推理(巻末の今月の新刊案内)

そのデパートの屋上では、いつも不思議な事件が起こる。飛降り自殺、殺人、失踪。ここに、何があっても動じない傑物がいた。人呼ん でさくら婆(ばば)ァ、うどん店(スタンド)の主(あるじ)である。今日もPHSの忘れ物が一つ。奇妙なことにそれが毎日、同時刻に呼出音だけ鳴るのだ 。彼女の手が空(す)いた時間帯に、まるで何かを伝えたいかのように……。屋上の名探偵さくら婆 ァの奮闘ミステリー!(裏表紙)

親不孝デ ィテクティブ』でも、##ラストの手紙が蛇足。##と思ったけど、これも、「タクのいる風景」がし っくりこない。と思ったら、文庫版で収録されたものらしい。これだけ、語り部が屋上の付属物じゃないし。モノには変わりないけど。表 紙の少年(?)なんとなく、タクだと思ってたら、よく見たら、紙飛行機を飛ばしているところ見ると、最初の事件の少年。カナ。彼が、 屋上に抱くモノが一番重かったということもあるのかも。重いの意味にも寄るか……。Amazonは表紙画像なし。


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2005/01/03更新