狐罠 No.447
骨董業界が舞台。陶子→冬狐で、冬狐堂という店を構えているから、狐罠。騙し騙されの業界で、若い(比較的)女が「狐」を屋号に入 れる。相当な気合の入った人だ。冒頭のエピソードがうまい。(03/01/06)
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北森 鴻 1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学 科卒業。1995年『狂乱廿四考』(東京創元社)で第6回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。1999年『花の下にて春死なむ』(講 談社)で第52回日本推理作家協会賞短編及び連作短編部門受賞。著書に『メビウス・レター』(講談社)、『闇色のソプラノ』(立風書 房)、『メイン・ディッシュ』(集英社)、『屋上物語』(祥伝社)など。
講談社文庫 き 41 1(講談社) 文庫 2000年5月15日第1刷発行 本体743円(税別) カバーデザイン 丸尾靖子 解説 千街晶之 1997年5月講談社より単行本(bk1 amazon)刊行
贋作をつかまされた女骨董商の仕掛けた意趣返しと殺人事件の接点とは? 傑作長編推理。(巻末の最新刊案内)
店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐美陶子(うさみとうこ)。彼 女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた唐様切子紺碧碗(から ようきりここんぺきわん)は、贋作だった。プロを騙す「目利き殺し」に陶子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、橘薫堂の外商 ・田倉俊子(たのくらとしこ)が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。古美術ミステリーの傑 作長編。(裏表紙)
現実の骨董業界を知らないが、ミステ
リの存在しそうな臭いのプンプンする世界かもしれない。そんな幻想?が頭に宿る一冊。骨董の事など知らなくても、陶子と一緒に熱くな
れる。女の友情も熱いなぁ。フシギなことに、中身には第1刷とあるが、カバーには、講談社文庫として『花の下
にて春死なむ』まで紹介されている。価格改定でもあってカバーだけ替えたの?
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2005/02/27更新