名前のない死体 No.877
謎の人物はあぁ、あの人か。ってところですね。ただ、話の中でも真偽は。どうでしょう。いくつかの殺人が起こるのですが、ほとんど 過去の事件として取り扱われる。で、話の進行中に起こる事件の犯人の動機はわからんでもないものの、それって、結果としてどうだった の?というラストでした。まぁ、そこまで考えられないくらい追いつめられていたってこと?(05/01/04)
日下 圭介のページへ 作品名順一覧 なへ 読書日誌へ bk1 amazon
日下 圭介 昭和15年生まれ。和歌山県出身。早稲田大学 商学部卒。朝日新聞社勤務のかたわら文筆活動を続け、昭和50年「蝶たちは今…」で江戸川乱歩賞、57年には「鶯を呼ぶ少年」「木に 登る犬」で日本推理作家協会賞を受賞。最近では歴史的事件をテーマにしたミステリーを多く発表している。また抒情にあふれた読後感と 短篇の切れ味にも定評がある。 著者のことば 面白い、といっては語弊もあろうが、日中戦争の時代は、まことに波乱に満ちている。 この作品の背景になった張作霖暗殺事件は、日中戦争の導火線となった事件だが、北京を追われた落魄の英雄£」作霖と、彼の命を狙う 関東軍一部将校の策謀、事件を知って驚愕し、時の天皇にまで真相をひた隠そうとする政府首脳や、陸軍中央の動きなど、ミステリー作家 の食指をそそる謎に溢れている。 これらの時代に関しては最近になって新しい資料の発掘も盛んだが、一つの謎の解明が、より大きな謎 を産むというのが、歴史、ことに現代史の宿命らしい。 この作品の中で、私は特別大きな謎に挑んだ。そして出てきた答えは大胆に過ぎ たかとも思ったが、資料を整えるにつれて、これが正解だったという思いが次第に強くなった。 さて皆さんはいかが。
長篇昭和史ミステリー 廣済堂ブルーブックス(廣済堂出版) 新書 平成5年12月10日初版 定価780円(本体757円) カ バーイラスト 西口司郎 カバー装幀 廣済堂デザイン部
満州某重大事件の謎に迫る! 十年前に何者かに刺殺された父の墓参りに訪れた寺坂健吾は、墓地で増渕という老人と、孫娘の美奈子と いう女性に声をかけられる。老人は、元警視庁の刑事だった寺坂の父に命を救われたことがあるといい、真犯人を探し出す手伝いを美奈子 にさせるという。現職時代に関わった事件の中で、中国人と思われる二人の人物が殺害された事件が父の死に深い関係があると知った寺坂 は、当時の調査を続けるうち、昭和三年に満州で起きた、中国要人暗殺事件とのつながりに気づく。昭和史の常識を覆す父の死の真相と真 犯人とは!?(裏表紙)
##父の立場
は君が犯人やったらもっと悪くなるやろう。##ラストはびっくりです。そうか。それもありか。というか。だとしたら、主人公は
全て無為だったということか?との結論を出したくないでしょう。bk1、Amazonとも表紙画像なし。
著者名順一覧 く 本棚 上 中 下
2005/01/16更新