女たちの捜査本部 No.827

読み終わってから、タイトルをもう一度見直して、ん?と思った。女たちって…。捜査本部には二人しかいませんがな。まぁ、事件には 何人も女が絡んでるけどね。表紙の新幹線が丸鼻くんだったりして時代を感じます。真樹が一応主人公なんだけど、つっぱってなく、折れ てなく。という感じでよかったです。このタイトルや時代からして、男性が描く女性捜査官にはもっと、悲壮さとかありそうですが、適度 でくどくないです。あと、主人公が一人突出して有能すぎる女性で周囲の男性捜査官がそれを極端に賞賛したり、否定したりという構図も なく、真樹が普通に努力している普通の捜査官でも、女性なので、それをよく思わない人もたまにいる。という、現実にありそうな構図な のもよかったです。どう良かったって…うーん、ドラマドラマしてない人間関係かな。まぁ、事件の方の人間関係はドラマティックだけど 、そっちはそうじゃないとおもしろくないし、話にならないし。日常の設定があまりにドラマティックだと事件、ひきたたないか ら。(04/09/23)

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日下 圭介

書下ろし長篇本格推理 トクマ・ノベルス(徳間書店) 新書 1988年3月31日初刷・1989年9月15日2刷 本体680円 ・定価700円 カバーイラスト 横山裕 カバーデザイン 秋山法子 本文挿画 木原いずみ 本文作図 三宅悌司 1991年11月 徳間文庫刊行(bk1 amazon

三陸海岸唐桑(からくわ)半島にあるペンション・ドリーマーに、密室殺人事件が発生した。発 見者は中学を卒業したばかりの仲良しギャル四人組。しかし、死体がある筈の部屋は、もぬけの空だった!? 東京・江東区のマンション で男の刺殺体が見つかった。事故現場に現われた若い女性が倉原真樹刑事である。真樹は被害者・森安浩次の恋人・玲子を追った。事件当 時、玲子は倉敷に居たという。玲子のアリバイを確認するため、真樹と相棒の中年刑事・船津は倉敷へ向った。事件は意外な展開を見せ始 めた……。颯爽登場! 真樹刑事の大活躍!(見返し)

動・植物をトリックに使った巧緻な作品や、竹久夢二・山頭火など歴史上の人物に潜む謎をドラマティックに描いた作品で、熱狂的なフ ァンをもつ日下圭介が、若い女性刑事を主人公に、本格物に挑んだ。密室トリックや、時刻表アリバイを追うのも女性。容疑者も女性。ユ ーモアと華やぎ、新ミステリーの誕生である。(裏表紙)

密室トリックはえ?そんだけ?という 気もしないでもないけど、確かに目が向かない解決方法。bk1、Amazonとも表紙画像なし。


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2004/09/26更新