アウトロー Outlaw No.452

収録作品  真冬の相棒  傾斜  死者が殺した  五月雨さみだれバラッズ  蜘蛛く もが死んでる  愛いとしのアウトロー

行き違い、勘違い。そのときは、毛ほどのものでも、後で振り返ったときに、修正がきかないものとして厳然と存在する。そんな話たち 。かなぁ。(03/01/11)

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香納 諒一  昭和38年、横浜生まれ。早稲田大卒。出版社 勤務の傍ら、創作を志し、織田作之助賞佳作、小説推理新人賞受賞を経て、平成4年に小社刊『時よ夜の海に瞑(ねむ)れ』で長編デビュー。本格派ハードボイルド作家として注目を集め、平成11年『幻の女』で日本推理作家協 会賞を受賞。本書刊行を機に、執筆専業の生活に入った。

祥伝社 単行本 平成12年4月10日初版第1刷 1,600円 カバー画 佐々木マキ 装幀 芦澤泰偉

初出  「小説non」 真冬の相棒(1998年4月号) 傾斜(1999年12月号) 愛しのアウトロー(2000年3 月号)  「小説推理」 死者が殺した(1993年1月号)  「週刊小説」 五月雨バラッズ(1995年11月10 日号) 蜘蛛が死んでる(1997年6月13日号)

日本推理作家協会賞受賞の気鋭が紡(つむ)ぐ ハードボイルドなほろ苦さ― 名もなき男たち の歌を聴け(帯)

「おまえ泣き丸(まる)≠セよな」少年時代の渾名(あだな )で呼ばれたエリート銀行支店長の丸太滋雄(まるたしげお)は息を呑んだ。出向いた不良 債権の担保ビルに棲(す)んでいた「占有屋」は幼馴染(おさななじ )みの八木勝雄(やぎかつお)だったのだ。ともに同じ母子寮で育った二人の十五年ぶりの 再会。そして招き入れられた部屋で丸太が見たものは…。(「愛しのアウトロー」) 殺し屋、泥棒、ヤクザ、クレーマー…現代のはぐれ 者たちの出会い、別れ、そして夢。日本推理作家協会賞受賞の気鋭が哀切をこめて紡(つむ)ぐ、鮮 烈のハードボイルド・コレクション!(見返し)

イン・アウト両方からさまざまな視点 でアウトローたちを描き出す短編集。「真冬の相棒」「蜘蛛が死んでる」は##「あぁ〜誤解が解ければ、やり直 して、平和に暮らしていけたかもしれないのに…」とも、「んー。やっぱ、やりつくしてんだから、ここでこの先うまくいったら嘘だよな 。」##という相反する気持ちがラストで湧いてきてもやもやとした。「傾斜」は哀しい。


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2005/01/02更新