刹那の街角 No.403

収録作品  エールを贈れ  知らすべからず  刹那の街角  捜査圏外  女事件記者  十字路  証拠

再読。だった。印象的な短編が多かったので、読み始めたら、「あぁ。これ、この人だったんだ。」と、思いつつ読み終わる。そうそう 。そうだった。「知らすべからず」「十字路」がよくできてるな。と思った。「証拠」はおもしろかった。にや。(02/11/10)

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香納 諒一  1963年横浜生まれ。早稲田大学第一文学部 卒。1991年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞受賞。1992年『時よ夜の海に瞑れ』(文庫版『夜の海に瞑れ』)で 長篇デビュー。以後『石(チップ)の狩人』『春になれば君は』『風熱都市』『梟の拳』『ただ去る が如く』『幻の女』と、多彩な筆致で数々の長篇を上梓している。短篇集には『雨の中の犬』『深夜にいる』『天使たちの場所』『宴の夏  鏡の冬』があり、現在最も期待される実力派の若手作家の一人。

角川書店 単行本 1999年5月25日初刷 1,700円 イラストレーション 川口澄子 ブックデザイン 鈴木成一デザイン室  2004年9月角川文庫(bk1 amazon)刊行

拳銃はいらない――。 同情は敵――。 捜査に必要なのは、 心の襞を辿る指先と 人の哀しみを 見極める眼だ。 プロフェッショ ナルで、 クールで、 人間くさい 警官たち! 著者初の 警察小説集!(帯)

新宿の裏社会とアジアの地下銀行の取引の陰で、幸薄い一人の女が命を落とした。(←ここ、知らないほうが楽しめるので、伏せました。知りたい方は、反転させると読めます。Kaiju)表題 作「刹那の街角」をはじめ、運命に翻弄され、いつしか犯罪に巻き込まれていく人々の哀感を刑事部屋の目を通して描く、出色の連作短篇 集。(帯)

「知らすべからず」「捜査圏外」「十 字路」なんかは、トリッキー?でおもしろいんじゃないかな。続けてこんなんばっかでは、なんでわざわざ、警察モンにしたの?ってこと になるかもしれないが、そこは「エールを贈れ」「刹那の街角」「女記者事件」辺りが、警察人情モノっぽい味を出している。主人公らし き人物新米刑事堀江は、最終話、「証拠」には登場しない。最も初出を見ると、最終話は表題作(1998)で、初登場は、「知らすべか らず」(1994)。「知らすべからす」がうまかったので、シリーズ化したときに、チョイ役のような堀江刑事を上手に真ん中に据える ことにしたのだろうか。もうちょっと続けてくれるといいなぁ。好きな短篇集。お約束か?と思いながらも、「エールを贈れ」「刹那の街 角」には、心揺さぶられるものがあるし、「証拠」なんかは、山さんに頭が下がる。「ははぁっ!師匠!!」って感じ?


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2005/01/02更新