宴の夏 鏡の冬 No.404
収録作品 共犯 城ヶ崎へ 宴の夏 鏡の冬 交錯の轍 ハミングで二番まで
全部、デビュー作と同じ匂いがする短編集。連作ではない。「共犯」「城ヶ崎へ」凝り過ぎという気がしないでもないが、おもしろい。 「ハミングで二番まで」デビュー作。ラスト、もうちょっと明るくても。という気もするが。表題作二つ、トーンが似ている。「交錯の轍 」主人公の職業が突飛なだけに、感情移入がちょっと難しいかも。でも、誰にでもある?不安を抱えた人物かもね。(02/11/11)
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香納 諒一 1963年横浜生まれ。早稲田大学文学部卒。 1991年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞受賞。1992年『時よ夜の海に瞑れ』(文庫版『夜の海に瞑れ』)で長篇 デビュー。以後『石(チップ)の狩人』『春になれば君は』『風熱都市』『梟の拳』『ただ去るが如 く』『幻の女』など、多彩な筆致で数々の長篇を上梓している。短篇集にも『雨の中の犬』『深夜にいる』『天使たちの場所』などの秀作 があり、現在最も期待される実力派の若手作家である。(p247) 一九六三年横浜生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 一九九一年 「ハミングで二番まで」で第十三回小説推理新人賞受賞。 一九九二年『時よ夜の海に瞑れ』(文庫版『夜の海に瞑れ』)で長篇デビュー 。 以後『石(チップ)の狩人』『春になれば君は』『風熱都市』『梟の拳』『ただ去るが如く』『 幻の女』など、 多彩な筆致で数々の長篇を上梓している。 短篇集にも『雨の中の犬』『深夜にいる』『天使たちの場所』などの秀作が あり、 現在もっとも期待される若手作家である。(裏表紙見返し)
新潮社 単行本 1998年9月20日発行 1,500円 装画 木津文哉『記憶』一九九六年 装幀 菊地信義
蘇る過去、手さぐりの未来。 平穏な日々に萌(きざ)した「不安」という名の黒い種子。 デ ビュー作から最新作まで、香納諒一の原点と現在を俯瞰する傑作短篇集。(帯)
自衛官だった弟の自殺が信じられない姉。 部下の死に戸惑う上官。二人の往復書簡が探り当て、 封印した真相とは――。 手紙のみ で構成された異色作「共犯」をはじめ、 大小の事件が浮き彫りにする人間模様六幕。 デビュー作「ハミングで二番まで」収録。(帯 )
「手さぐりの未来。」とはきれいに言
ったもので、なんで、手さぐりかって、それは、未来が闇の中だからだ。戒壇めぐりのように一本道でもない。目指す何かが必ずあるわけ
でもない。それでも、進んでいかなくてはならないのだ。手さぐりで。そんな短篇6作。いやぁ。「共犯」を読んで、今なら、メールだよ
なぁ。と思ったのに、「戒壇めぐり」とか書くし。何時代だ。「ハミングで二番まで」デビュー作、小説推理新人賞受賞、というファクタ
ーから、もっと、テンポの軽く明るい、推理物を想像していた。タイトルもタイトルだし。「鏡の冬」「ハミングで二番まで」友情とは何
ぞや。どんな形のどんな味のものぞ?と、問いたくなる(あるいは、メインテーマの裏で問うているかもしれない)作品。
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2005/01/02更新