深夜にいる No.412
収録作品 道連れ シャチふたたび 水曜日の黙祷 深夜にいる 声の連関 アドリブはお好き
「道連れ」「水曜日の黙祷」が好きな傾向の作品。「道連れ」はかなりお約束。なところもあるけど。表題作、「シャチふたたび」「ア ドリブはお好き」は似てる気がする。「声の連関」ミステリ?これだけ、主人公が女性。表題作はやっぱりよくできてるな。と思った。な んだろう、昔の人間関係を悼む作品集だろうか。変ってしまった友人の昔の姿を悼む。ではなく、その友人を取り巻いていた人間関係とか 人間模様そのもの、(もしかして簡単に言い換えてしまえば、過ぎ去った日々とか?)なんか形ではないものに主人公たちは別れを告げて ゆく。告げ方は物語によるが、とにかく告げてゆく。(02/11/21)
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香納 諒一
中央公論社 単行本 1997年8月25日初版印刷・1997年9月7日初版発行 1,600円 装幀 辰巳四郎 DTP オフィ ス・トイ
初出 「小説工房」 道連れ(サンサーラ1995年12月号増刊) 「小説推理」シャチふたたび(1996年2 月号) 深夜にいる(1994年6月号) 「小説宝石」 水曜日の黙祷(1996年10月号) 「問題小説」 声 の連関(1994年2月号) 「別冊小説宝石」 アドリブはお好き(1996年初夏特別号)
ひび割れた夜の底から 忍びよる孤独の陥穽 多彩な筆致で紡がれるミステリアスな六編(帯)
「水曜日の黙祷」の黙祷のトウの字は
、示に壽が、タイトルだが、そのように変換すると表示されないので祷の字を充てた。6編の仲では、オチが読めながらも、一番楽しめた
。主人公が二人組みってのも、傾向として好きだからかもしれない。「シャチふたたび」哀しい。「道連れ」より切々と哀しい。「道連れ
」も哀しいけど。話としては「道連れ」の方が好みだが、印象的なのは「シャチふたたび」の方かもしれない。哀しさが忘れがたい
。
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2005/01/02更新