利休椿 No.882

収録作品  笑って候  利休椿  包丁奥義  辻が花  天下百韻  山三の恋  関寺小町

主君に仕える身の悲喜こもごも。というカラーではないけど、ちょっと感じました。自分の道を行こうにも、その道を先に行くものがあ ればあわせたり、道を選びなおしたり。あぁ、芸道って大変。みたいな。そういう話ばっかりじゃないけど。「辻が花」だけはちょっと幻 想的なところあり。幻の花を求めて男が旅立つってゆー設定が表題作とかぶってるので、どうかな〜。とは思うけど。この著者の本は初め て読みました。ちょっと、状況説明が短編だと長く感じたなぁ。長篇とかみかけたら読んでみようかなー。(05/01/09)

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火坂 雅志  1956年新潟市生まれ。早稲田大学卒業。1 988年、「花月秘拳行」でデビュー。その後、「西行桜」(富士見書房)、「神異伝」(徳間ノベルス)、「柳生烈堂」(祥伝社ノン・ ポシェット)など時代伝奇の意欲作を次々と発表。卓抜した着想と緻密な構成力には定評があり、時代小説界の次世代をになう作家の一人 として、今後の活躍が期待されている。近刊に「鬼道太平記」(PHP研究所)、「新撰組魔道剣」(光文社)、「雲隠才蔵」(祥伝社ノ ン・ポシェット)、「源氏無情剣」(青樹社)などがある。

実業之日本社 単行本 1997年5月30日初版第1刷 本体1,700円+税 装画 中島千波 装幀 芦澤泰偉

初出  「週刊小説」 笑って候(’96年11月22日号) 包丁奥義(’95年8月4日号) 辻が花(’96円7月5日 号) 関寺小町(’96年2月2日号)  「小説王」 利休椿(’95年3月号)  「季刊歴史ピープル」 天下百韻 (’96年6月号)  「問題小説」 山三の恋(’94年12月増刊号)

太閤秀吉の世、幻の椿を求めて男は旅出った。 表題作をはじめ、自らの芸を極限にまで追い続けた先駆者たちの凄絶なる生きざまを描 く七つの名品。(帯)

「わしは、その花が忘れられぬ。うつつにも、忘れることができぬ。」 利休は、この冷厳な茶人には珍しく、頬を若者のように紅潮さ せ、視線を虚空にさまよわせた。「そのような紫の椿がほんとうにあったら、どれほど茶室が引き立とうか。わしの気持ち、わかるか、 又左」「美しいものを欲するのは、人として当然のことでございます」「わしのために、紫の椿を探してくれぬか」 利休の言葉に、又左 はただ無言でうなずくしかなかった。(帯)

割と簡単に人が死ぬのが気になります 。時代…でしょうか。ところで、太閤秀吉。今でも名古屋市に太閤通という通りがありますが、なんと、千成瓢箪の電飾が。ちょっとねぇ 。いくらなんでも。と、通るたびに思います。


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2005/01/10更新