虹の谷の五月　Ｎｏ．８８０

虹の谷や主人公の設定が面白いと思いました。まぁでも、結局流しているテーマソングは一緒。って感じです。途中から展開が読める。 上下二冊に分けても文庫化するくらいだからおもしろいんだろうなー。と思ったんだけど。トシオにはホセや爺ちゃんのように銃を持って 闘うことに誇りを見出さずに生きられるといいな。と思いました。闘うことにしか誇りを見つけられない人たちを見つめた後だけに。まぁ 、銃を見かけない世界でのんきに祈れるのはそれくらい。(05/01/08)

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船戸　与一

集英社　単行本　２０００年５月３０日第１刷発行　本体１，９００円＋税　装丁　安彦勝博　「小説すばる」（１９９８年７ 月号〜２０００年３月号）に加筆修正　２００３年５月集英社文庫（上　bk1　amazon　下　bk1　amazon）刊行

少年は慟哭の叫びを封印し、あふれる想いを胸に沈める。　高らかに謳う、誇り（アサム）と希 望（ダガン）の叙事詩。新世紀の冒険小説の指標、ここに完成！（帯）

冷戦構造の崩壊にともない、わたしは物語を書きにくくなったことに気づかされた。新たな冒険小説を構築するにはどうすべきか？それ にはいったん自分の手足を縛ってみるべきだ。すなわち主人公を幼い少年に設定せねばならない。本書を書き終えたことによって、じぶん 自身の小説への闘志が健在であることを確認できた。好奇心の衰えなどいささかも感じてはいない。　船戸与一（帯）

どうでもいいんだけど、登場人物がみ んな同じように喋るのが気になる。あと、ぐずっと笑ったりどもるのが。虹の谷という美しい場所や３５年に一度しか咲かない花。善良な 医師と腐敗した警官。暗示的だったり直裁的だったりする事件に関わっているうちに、少年の日はあっという間に去る。少年も変わるが周 囲の人間も変わっていく。猿喰い鷲がいつまでも飛ぶ世でありますように。

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2005/01/09更新