てのひらの闇 No.448

タイトルがいい。原題は『ホワイトノイズ』だったということだが、こっちのほうが全然いい。冒険推理小説というようなジャンルなの だろうか。何のために何をかけることができるか。多分、そういう話。(03/01/09)

藤原 伊織のページへ 作品名順一覧 てへ 読書日誌へ bk1 amazon


藤原 伊織

文藝春秋 単行本 平成11年10月30日第1刷 1,667円 装画 浅野隆広 装幀 大久保明子 初出誌「オール讀 物」1999年1月号〜7月号に『ホワイトノイズ』として連載されたものを加筆、改題

感謝する……。 その言葉に報いるため、男は闘うことを選んだ――。 藤原伊織が満を持して放つ大型長篇!(帯)

二人の男の道を決定づけたのは、 生放送中のスタジオで発せられた、 不用意な、しかし致命的な一言だった――。 二十年後、その 決着をつける時が訪れ、一人は自死を、一人は闘うことを選んだ。(帯)

テロリス トのパラソル』でもだが、主人公は、どーにかこーにか、社会生活を送っている。が、まさに、なにかのきっかけで、日常が破られ、 意図しようとしまいと、社会生活からはみ出し始める。いや、はみ出た先も間違いなく社会であるはずなのだが。一匹狼というには、あま りにも周囲から手が差し伸べられているし、誰にも頼らない。というわけでもない。ただ、自分の基準で、自分のやり方で進んでいくこと しか、どうしてもできないのだ。


著者名順一覧 ふ 本棚    
2004/12/31更新