テロリストのパラソル

テロリストのパラソル Terrosist's Parasol No.145

表紙に「第41回江戸川乱歩賞受賞作」とあったので、そこそこに期待しつつ読み始めた。おもしろかった。登場人物達に惹かれたし、 文章にも吸い込まれた。テンポがおもしろい。軽快に会話が続いたな(会話の内容は軽快でなくても)〜とおもうと、突然、何行も何行も 、改行ナシの長〜い段落が出現する。というテンポが。最後の「なくした」がひらがななのはやっぱり意味があるんだろう か?(01/12/05)

前評判を違えない。(読書日誌141−150へのコメント)

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藤原 伊織  1948年、大阪府生まれ。’73年東京大学 文学部仏文科卒業、(株)電通入社、現在に至る。’77年「踊りつかれて」で第4回野生時代新人文学賞佳作、’85年「ダックスフン トのワープ」で第9回すばる文学賞受賞。’95年『テロリストのパラソル』で第41回江戸川乱歩賞を全選考委員の絶賛をあび受賞。同 作品は翌年、第114回直木賞にも輝く。著書は他に『ひまわりの祝祭』『雪が降る』など。

第41回江戸川乱歩賞受賞作 講談社文庫 ふ 45−1(講談社) 文庫 1998年7月15日第1刷・1999年1月13日第6 刷 619円 カバーデザイン 辰巳四郎 解説 関口苑生 1995年9月講談社より刊行

アル中のバーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転 する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真 実とは……。史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作。(裏表紙)

話が完結してみると、ずいぶん、感傷 的なタイトルだ。優子が中央公園にいた、というか、##優子たちが中央公園をセントラルパークにみたてて集ま っていた##というのは、なかなかその外にいる人間には思いつかないだろう。しかも、俳句。なんとなく、似合わない取り合わせ 。この辺もおもしろさの一つだと思う。テロリストとパラソル。どんな頭がこんなタイトルを思いつくのか。にしても、作品の発端は結構 唐突。##なんで、ちょっと話しただけの少女を探してそこまでするか。##ってのはわかりにくい。孤独 だったんだろうか。


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2004/07/26更新