切断都市 No.926

大阪府についての考察がおもしろかった。切断とは別に、次の万博の開催地としては同じことが起こってないことを祈る。著者にとって 都市小説を書くのは一段落し、ここで新しい探偵を登場させたとのこと。準キャリアという立場の彼の今後の活躍に期 待。(05/02/26)

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芦辺 拓  1958年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業後 新聞社に勤務。86年、『異類五種』で第2回幻想文学新人賞に佳作、90年に『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞。94年 から執筆に専念。著書がミステリー関連のベスト10に名を連ねることが多く、本格推理の分野で評価が高い。主な作品に『十三番目の陪 審員』『和時計館の殺人』『メトロポリスに死の罠を』『殺しはエレキテル』『紅楼夢の殺人』などがある。

実業之日本社 単行本 2004年12月15日初版第1刷 本体1,800円+税 装画 影山徹 装幀 盛川和洋 地図 ジェ オ

切断したいに秘められた大阪の謎―― 報道陣を引き回す事件渦中の人物―― ネットから発生した劇場型犯罪 警察組織の<準キャリ ア>梧桐警部が巨大都市の暗部に迫る、新社会派本格推理(帯)

キャリアでもノンキャリアでもない<準キャリア>という立場で、大阪府警新犯罪対策班に所属する梧桐渉警部は、道頓堀川を流れてい た女性の胴体だけの死体遺棄事件に関わる。被害者は演劇プロデューサーで、地元演劇祭に絡んだトラブルを抱えていた。続いて発生する 死体遺棄事件の現場は、全て大阪という“都市の愚行”に関連する場所だった。捜査本部や世論の驚愕を狙って、犯行動機の詳細を語るホ ームページまでが登場。梧桐は意表をついた方法で犯人に迫る――。(見返し)

大阪府民じゃなくても、大阪の歴史が 面白く書かれていて楽しい。旧摂津国じゃない人には愉快じゃないかもしれないけど。今後のシリーズが楽しみ。


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2005/06/05更新