「ナイルの甲虫スカラベ」殺人事件 No.12

ワンナイトミステリーシリーズの第4弾。朝比奈耕作が探偵役。最後のどんでん返しが昨日の「天井桟敷の貴婦人」とは違って、ちゃん とどんでん返しでおもしろかった。犯人も、殺害方法もすぐにわかってしまうけれど、動機は考え付かない理由でした。シリーズタイトル どおり、薄目ですぐに読めてしまう手軽なミステリー。(01/02/10)

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吉村 達也  一九五二年東京生まれ。ニッポン放送ディレク ター、編成部プロデューサーから扶桑社の書籍編集長を経て九〇年に専業の作家に。十五年近い会社勤めの経験は、独特のタッチを持った 短編ミステリーの世界にフルに活かされている。長編ミステリーとホラーの多彩な作品群については、本文巻末リストをごらんください 。

ワンナイトミステリー 角川文庫 よ 10−55(角川書店)11824 文庫 平成13年1月25日初版 381円 カバーデザ イン 亀海昌次 カバー写真 amana images photo ORION PRESS 本文イラスト 宇野亜喜良 カバー  暁印刷 一枚の写真D ルクソールのローカルフェリー

「ミイラ殺し」の謎を追って朝比奈耕作、エジプトへ!(帯)

エジプトへ行ってホラー映画を撮ろう。自主映画の大ヒットを夢見て、海外ロケに出発した五人の大学生。舞台に選んだのは古代エジプ トのファラオたちが眠る「王家の谷」。その地で主役を演じる岡崎拓哉が、全身に包帯を巻かれたミイラの格好で原因不明の突然死を遂げ る。 三年後、撮影に加わっていた女子大生から事件の真相解明を乞われた推理作家の朝比奈耕作は、現地ルクソールへ飛んだ。雄大なる 古代遺跡の地で、彼が導いた結論は他殺。犯人を示す鍵はナイルの甲虫(スカラベ)をかたどった「 心臓スカラベ」の置物。だが死の瞬間を撮ったビデオに意外な真相が……!《書き下ろし》(裏表紙)

意外な、というか思いつかない(だか ら、それが意外だっつーの)な狂気。じゃなくて、凶器。でした。短編のほうが名探偵的かもしれない。朝比奈耕作。長編だと、やたら心 理がどだこだ言い出してるような気がするんだよね。変にオカルティックだったりさ。結局、短編が好きなので、ま、どーおぉしても、そ っち寄りの結論にはなーるんだけど。親友の平田絡みだったり、取材絡みだったりせず、事件を持ち込んでくる人がいる。という設定は、 きっと、「朝比奈耕作の活躍を書いた吉村達也の本が売れて評判になってる」ってことなんでしょーね。架空の世界でも、売れっ子作家、 吉村達也?ピラミッドも何十年か後には風化してしまうらしいです。で、そーゆーの聞くと、「その前に見に行かなくっちゃ!」とか思っ たりもするわけだけど、きっと、ピラミッドの寿命よりこっちの寿命の方が先に尽きるんだろーなー。うーん。


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2004/09/19更新