地獄谷温泉殺人事件 MONKEYSHINE No.310

和久井刑事が活躍している。いつも、志垣警部の相棒とゆーか、引き立て役立ったのが、主役級。この長さが文庫書き下ろしってのも、 贅沢なのかなんなのか。最後のオチから途中の今回の主人公が気づかない齟齬などまで、ポイントは「声」。というか、「放送研究会」。 「顔と声」でもいーかも。声きくだけど、顔見るのでは、情報量に差がある。ってこと。朝比奈耕作シリーズでは、なかなかに男性にキビ シイところのある作品が多いが、これは、女性に厳しい一作ではないだろーか。(02/06/29)

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吉村 達也  1952年、東京都生まれ。1986年『Kの 悲劇』でデビュー。1990年から専業作家に転向。ミステリーとホラーを中心に著作総数は百冊を超える(巻末著作リスト参照)。最近 では、《精神衛生本》と称する癒しの領域にも著作の幅を広げて、『多重人格の時代』や『がん宣告マニュアル感動の結論』『正しい会社 の辞め方教えます』など、独自の思想ブックも発表している。 講談社文庫では、日本全国の温泉めぐりを楽しみながら推理ドラマが展開 する、人気キャラクター志垣警部と和久井刑事の《温泉殺人事件》シリーズ、家庭教師・軽井沢純子シリーズ、推理作家・朝比奈耕作シリ ーズなどがある。

講談社文庫(講談社) 新書 1999年6月15日第1刷 762円 カバーデザイン 亀海昌次 カバー写真 amana ima ges 取材旅ノート 地獄谷温泉 文庫書き下ろし作品

永眠、意外な文字を同窓会名簿に見た主婦の進藤陽子は、大学時代に結婚の約束まで交わした元恋人・竹井哲雄の謎の死を「あいつは地 獄で死んだのさ」という情報を頼りに追及し始める。世界で唯一、猿たちが温泉に浸(つ)かる場所 である信州・地獄谷温泉で発生した殺人事件の真相とは? 文庫書下ろし長編推理。(裏表紙)

温泉シリーズの他の場所と違って比較 的近いので、行ったことがある。確かに、歩いた。そして、サルが浸かってたよ。目を合わせると威嚇してることになるから気をつけるよ うに。だって。なかなかサルは怖い。人間よりずっと立派な牙だし爪だし。でも、温泉が気持ちいいのは変わんないらしい。その辺は親し みを覚える。たまたま良い天気で、滝になっているところで、綺麗な虹が出たのを覚えてる。後は、多分係員のおじさんが、キヨーに餌付 けをしていたことだな。この中で、志垣・和久井を除き、まぁ、感情移入できそうなのって、##立花めぐみしか いない。少なくとも自分を見つめなおしているところが、偉い。他の登場人物は、対比的になのか、逆に立花めぐみが対比的になのか、す ごく、自己中心的に書いてある。表紙の女がなんかコワイのも、陽子のことを考えると暗示的。##和久井刑事、だーいじょうぶか なぁ。まぁ、志垣警部のカントクの元、がんばってホシイものです。


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2005/03/08更新