殺意は砂糖の右側に 天才・龍之介がゆく! No.648

収録作品  エデンは月の裏側に  殺意は砂糖の右側に  凶器は死角の奥底に  銀河はコップの内側に  夕日はマラッカの海原 に  ダイヤモンドは永遠に  あかずの扉は潮風に

そうか、柄刀氏はこういう作風も持ち合わせてるんだ。という1冊でした。あー…。わりと好きかも。こーゆー、いそうでいない奴。し かし、彼は何をして喰っていくのだろうか。シリーズ続編が楽しみ。(03/09/17)

柄刀 一のページへ 作品名順一覧 さへ 読書日誌へ bk1 amazon


柄刀 一  一九九八年、島田荘司(しまだそうじ)氏、有栖川有栖(ありすがわありす)氏に激賞された第8回 鮎川哲也(あゆかわてつや)賞の最終候補作『3000年の密室』でデビュー。奇想と時空を超えた トリックで、いま、ミステリー・ファンから最も熱い注目を集める新本格の旗手である。本書は、「現代社会を舞台としたキャラクター探 偵ものはひじょうに難しい」と語ってきた著者が敢(あ)えて挑んだ意欲作である。天地龍之 介(あまちりゅうのすけ)という稀代(きだい)の名探偵を 得て、柄刀氏が描くミステリー世界の魅力はさらに増した。著作に『サタンの僧院』『4000年のアリバイ回廊』『400年の遺言』『 ifの迷宮』『アリア系銀河鉄道』『マスグレイヴ館の島』がある。昭和三十四年生まれ。北海道札幌市在住。

痛快本格ミステリー ノン・ノベル(祥伝社)N−710 新書 平成13年2月20日初版第1刷 819円 カバー&本文イラスト  緒方剛志 装幀 中原達治 献辞 たぶん最初の読者であったろう、妹たちに……  2004年1月祥伝社文庫刊行(bk1 amazon

初出  『小説NON』 エデンは月の裏側に(1999年1月号)  殺意は砂糖の右側に(1999年5月号) 凶器は死 角の奥底に(2000年3月号) 銀河はコップの内側に(1999年9月号) 夕日はマラッカの海原に(2000年6月号) あかず の扉は潮風に(2000年9月号)  書下ろし ダイヤモンドは永遠に

ページをめくる手を止めさせない<速い短編集> 推理作家 有栖川有栖(ありすがわありす ) 歴史・科学・宗教などを題材にした<重厚で濃密な本格ミステリ>でファンの喝采(かっさい )を浴び、熱い注目を集める塚刀一(つかとうはじめ)氏は、小気味よいスピードで矢継ぎ 早に力作を放つ<重くて、濃くて、速い作家>だ。また、短編集『アリア系銀河鉄道』のような前衛的・実験的作品を書くテクニックと大 胆さも備えているし、『マスグレイヴ館の島』では軽やかでトリッキーな本格ミステリを披露(ひろう )してくれた。 本書『殺意は砂糖の右側に』は、それらの要素が溶け合った<軽やかで、濃くて、トリッキーな好短編集>である 。そして、読者にページをめくる手を止めさせない<速い短編集>であることを保証する。(見返し)

「10円玉を持っていないか」という不思議な言葉を残しクラブ経営者が撲殺(ぼくさつ)され た。被害者は麻薬取引の疑惑を持たれていたが、その右手にはなぜか1円硬貨と50円硬貨が握られていた…。小笠原(おがさわら)諸島から初めて都会に出てきた純朴で愛すべき天地龍之介(あまちりゅ うのすけ)は、数々の奇妙な事件に遭遇する。料理コンテストや国際線の機上、はたまたフィリピンの田舎(いなか)町で…。学究一筋の青春を送ってきた龍之介が科学者並みの頭脳とちょっとズレた感性で事件の謎に挑戦す る。果たしてIQ一九〇の天才推理は?(裏表紙)

いやぁ。シリーズもの。という設定か らして、龍之介と光章がきっちりフィリピンまで人さがしに行くとは思っていなかった。では、シリーズはどう続くのか。楽しみでもある 。って、すでに4作も出てるし。


著者名順一覧 つ 本棚    
2004/09/23更新