琥珀の城の殺人 No.445

著者のデビュー作ということで、楽しんで読んだ。建築探偵ものでデビューしたわけではなかったのか。でも、特殊な建造物といえば、 特殊な建造物だけど。登場人物がカタカナなので、途中までは、何度も登場人物表を振り返ったが、混乱してわけが分からなくなるほどで はなかった。おもしろかったので、他の作品も読んで見よっと。(03/01/05)

篠田真由美デビュー作。(読書日誌441−450へのコメント)

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篠田 真由美  1953年、東京都生まれ。早稲田大学第二 文学部卒、専攻は東洋文化。’91年に『琥珀の城の殺人』が第2回鮎川哲也賞の最終候補作となり、作家デビュー。’94年に建築探偵 ・桜井京介シリーズ第一作『未明の家』を発表。以来、傑作を連発し絶大な人気を博している。シリーズは他に『玄(くろ)い女神』『翡翠の城』『灰色の砦』『原罪の庭』『美貌の帳』がある。

講談社文庫 し 54 2(講談社) 文庫 1998年10月15日第1刷発行・1999年7月30日第4刷発行 本体667円( 税別) カバー写真提供 井上フォト カバーデザイン 成田郁弘(デザインファクトリー・IN) 作図 半沢清次 1992年8月東 京創元社より刊行の単行本『琥珀の城(ベルンシュタインブルク)の殺人』(bk1 amazon)を一部改筆し改題

十八世紀ヨーロッパ山中、雪に閉ざされた城館の密閉された書庫で当主の伯爵が死んでいた。遺体は礼拝堂に安置されるが、一瞬にして 消失する。呪われた館に渦巻く近親憎悪が、次々と不可思議な惨劇を呼ぶ。クラシカルな舞台設定と科学的トリックの配合が絶妙。建築探 偵シリーズで大人気の著者デビュー作。(裏表紙)

基本的に、探偵と被害者と犯人。とい う構造の海外ミステリを読むことが多く(ホントか?)そのため、登場人物の人間関係は割合すっきりしていて、名前もそんなに覚えなく てもいいし…。という人間が読むと混乱する。ただし、何度も登場人物一覧を振り返る手間を惜しまないか、最初にきっちり人間関係を覚 えて読み始めれば、混乱もさほどなく、楽しんで読める。この物語の背景にはやっぱり、中世ヨーロッパのどっか山ん中。というナントナ ク怪奇ドロドロみたいな時代設定が合うでしょう。


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2005/03/09更新