貴船菊の白 No.510
収録作品 貴船菊の白 銀の孔雀 七月の喧騒 送り火が消えるまで 一夜飾りの町 躑躅幻想 幸せの方角
いやぁ。表紙のコワイ女の人に惹かれて買いました。おもしろかったなぁ。全篇、京都発。2月に京都へ行ったし、吉村達也の京都ガイ ドを読んだ(見た)ばかりなので、結構、街に入っていけました。(03/03/24)
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柴田 よしき 1995年、『RIKO−女神の永遠−』で 第15回横溝正史賞を受賞。受賞作の主人公、村上緑子は、従来の女性刑事のイメージを一新したキャラクターとして人気を獲得した。以 後、村上緑子シリーズの他、京都を舞台に壮大なスケールで展開する伝奇小説「炎都」シリーズ、猫を主人公にした猫好き必読の本格推理 小説「猫探偵正太郎」シリーズなど、ジャンルを超えて、幅広く意欲作を発表し続けている。近刊に『聖なる黒夜』など。 柴田よしきホ ームページ http://www.shibatay.com Eメール yoshiki@shibatay.com
新潮文庫 し 50 1(新潮社)7075 文庫 平成15年2月1日発行 514円 カバー装画 武田典子 カバー印刷 錦名印 刷 カバーデザイン 新潮社装幀室 解説『知ることによる、世界の様変わり』 中山千夏 2000年3月実業之日本社より刊行
底知れぬ悪意、 秘められていた殺意。 知っていたのは 京のまちと白菊だけ。 人のこころの魔をつむぎだす7つの物語。(帯表側 )
事件の真相は白菊に秘められていた。美しい京のまちを舞台に、人間の底知れぬ悪意と殺意を描いた、傑作ミステリー短篇集。(巻末の 最新刊案内)
驚きはトリックにあるのではない。 登場人物の心の中にある。 こう見えていた世界が、ある日、何かを知ると、 がらり違って見え る。 そう、知ることによる、世界の様変わり。(中山千夏氏・解説より)(帯裏側)
刑事を辞めた男は、十五年ぶりに最初の事件で犯人に自殺された現場を訪ねた。その場所にたむけられていたのは貴船菊の花束――白く 小さな花は思いもよらない事件の真相を男に告げる。偶然にかいま見てしまった悪意、女性心理の襞にひそんでいた殺意。美しい京のまち を舞台に、人間の心に深く沈んでいた情念が、巧みな筆致でつむぎ出される。胸にせまる七つの傑作短篇ミステリー。(裏表紙 )
表題作は、裏表紙の紹介を読んで、主
人公が花束に目を止めるのは、##結末の少し前くらいで、その花束を目にすることで事件の全容が主人公に明ら
かになる!!##とか、勝手に想像(普通想像に許可は得ない)したので、拍子抜けな感じ。ただ、この1作で、事件に対するスタ
ンスに慣れると、その他は素直におもしろい。後半3作が特に。前向きなので、「一夜飾りの町」が好きかな。「躑躅幻想」系も。「幸せ
の方角」も前向き&しみじみ〜。で。「送り火が消えるまで」は、ネタも割れたし、読後感もあまり…。「七月の喧騒」「銀の孔雀」くら
いならいいんだけどね。あるいみ前向きだし。自分、後ろ向きなので、フィクションの世界まで後ろ向きに侵食されたくないだけかな
ぁ。
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2005/02/27更新