失恋 No.737
収録作品 欲望 安い涙 記憶 遅刻
「遅刻」けっこう好きだな。あるある。そういうことって。主人公達は、誰一人として恋をした相手に別離を告げられたわけでも、はっ きりと引導を渡されたわけでもない。それでも、『失恋』というカテゴリに入れられるのは、自分が思っていた恋のカタチを失うから。か な。そして、物語りはそこで終わるが、彼らの物語はそこから始まる。あらゆる意味で。(04/03/14)
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鷺沢 萠 1968(昭和43)年、東京生れ。上智大学外 国語学部ロシア語科除籍。’87年、18歳の時に、「川べりの道」で文學界新人賞を受賞。「葉桜の日」などで芥川賞候補に、「ほんと うの夏」などで三島賞候補に挙げられ、’92(平成4)年『駆ける少年』で泉鏡花賞を受賞。『少年たちの終わらない夜』『帰れぬ人び と』『キネマ旬報』『私の話』など著書多数。幅広い読者の支持を受ける現代文学の気鋭作家。Photo (c)橋本安良夫 鷺沢萠公式HP 「Office Meimei」http://homepage1.nifty.com/meimei
新潮文庫 さ 27 9(新潮社)7293 文庫 平成16年3月1日発行 本体400円(税別) カバー写真 PPS通信社 カ バー印刷 錦明印刷 デザイン 新潮社装幀室 解説 小池真理子 平成12年9月実業之日本社より刊行(bk1 amazon)
それでも人は人に恋をすることをやめない。 小池真理子さん推薦(帯表紙側)
「恋さえしなければ、こんなに苦しみはしなかったのに、という思いは、恋をしたからこそ、あの幸福なひとときを得ることができたの だ、という実感とつながってくる」(小池真理子さんの「解説」より)(帯裏表紙側)
黎子と悠介は、学生の頃からの友人=B恋人同士であったこともないが、三十半ばになっても黎子が頼りにするのはいつも悠介だった 。しかし、黎子の元夫が失踪し、二人の微妙なバランスが崩れて──「欲望」。年下の男との恋につまずいた銀座の女を描く「安い涙」。 恋の喪失感をテーマに、さまざまな恋のかたちが繊細なタッチで描かれる。切なく、胸に迫る四つのラヴ・ストーリーを収録。(裏表紙 )
男の人って、「何とも思われていない
」という選択肢を避けてるみたい。と言われたことがある。相手にしてないと「嫌って」いるのかと遠まわしに聞かれ、遠まわしにそうで
ないことを伝えると、「好かれて」いると勘違いされる。90%まではどちらでもないなんだけどなぁ。というようなことだった。なるほ
ど。でも、嫌われていなければ、針が好かれているほうに傾いているんじゃないかと思うものだと思うけどなぁ。この短編集の中の失恋は
もうちょっとちゃんと「恋」ですが、この話を思い出しました。
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2005/03/13更新