過ぐる川、烟る橋 No.334
この描き方がうまい人だ。場面はあまり動かない、そこで主人公が回想する。最後に何かが起こる。「大統領のクリスマス・ツリー」そ のまんまか?男性版?と言っても、長い間一緒に暮らした二人の生活を振り返るのではない。成功した(と客観的に見える)40男が自分 の人生を振り返るのだ。故郷に近い?博多の町で東京で過ごした若い頃を回想する。そして、彼は何かを躊躇している。迷っている。何を ?回想が進み、彼の中で何かが起こる。そして、現実が進み、回想は終わる。(02/07/27)
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鷺沢 萠 1968(昭和43)年、東京生れ。上智大学外 国語学部ロシア語科除籍。’87年、18歳の時に、「川べりの道」で文學界新人賞を受賞。「葉桜の日」などで芥川賞候補に、「ほんと うの夏」などで三島賞候補に挙げられ、’92(平成4)年『駆ける少年』で泉鏡花賞を受賞。『少年たちの終わらない夜』『帰れぬ人び と』『夢を見ずにおやすみ』『さいはての二人』『失恋』など著書多数。幅広い読者の支持を受ける現代文学の気鋭作家。
新潮文庫 さ 27 7(新潮社)6806 文庫 平成14年2月1日発行 400円(税別) カバー装画 浅野隆広 カバー印刷 錦明印刷 デザイン 新潮社装幀室 解説 北上次郎 平成11年8月新潮社より刊行(bk1 amazon)
かつて青春を分け合った男ふたり、女ひとり。時を経て、夜の博多で再会した三人は何を得、失ったのか? 切なく真摯なラブストーリ ー。(巻末の最新刊案内)
1970年代、東京。貧しくとも、ささやかな夢を分け合う二人の男がいた。九州から単身上京、中華料理店で働く篤志。身体がデカい のが悩みの彼は、店の先輩・勇のすすめでプロレスの世界に足を踏み入れる。運を掴(Kaiju注: 原文は手偏に國)む篤志と、見放される勇、その間で揺れるユキ。時を経て再会した三人は、何を得、何を失ったのか――?青春の 記憶を手繰り、夜の博多に漂うノスタルジック・ラブストーリー。(裏表紙)
うーん。そうか、ラブストーリーだっ
たんか。まぁ、そうかもしれない。何かをあきらめることを書いた話だという気がしていたが、恋愛について語るとそうなるのかもしれな
い。
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2004/09/06更新☆