しのびよる月 No.300
「裂けた罠」が、今までにありがち(多分、よい意味で)なストーリーだっただけに、先が見えたのとは逆で、「黄色い拳銃」は、わか んなかった。後で考えれば、「なるほど、そういうこともありそうだ」という話ではあったけど。百舌シリーズの、主人公サイド側の警官 たちの緊張感漂う真面目さというか、真摯さに比べ、主人公、梢田の上司であり同級生もある斉木は、突然、奇妙な情熱で仕事に突進する かと思えば、「危ない消火器」のように、理攻めで仕事を他所へ回そうとしたりする。もー、このやりとりだけで、笑える。ホントに同じ 人が書いた、警察小説なんだか。(02/06/21)
百舌シリーズを読んでから読むと、コケるかも。(読書日誌291−300へのコメント)
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逢坂 剛 一九四三年東京生。中大法学部卒。広告会社勤務 のかたわら執筆。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞受賞してデビュー。八七年「カディスの赤い星」で直木賞 受賞。他に「百舌の叫ぶ夜」
集英社文庫 お 16 8(集英社) 文庫 2001年1月25日第1刷 590円 カバー 下谷二助 AD 安彦勝博 解説 新 野剛志 1997年1月集英社より刊行(bk1 amazon)
御茶ノ水署・生活安全課保安二係は斉木斉さいきひとしと梢田威こずえだだけしだけ の小世帯だった。小学校の同級生が御茶ノ水署で再会する。がき大将だった梢田が斉木をいじめた過去があった。それが今では斉木警部補 と梢田平刑事。復讐に燃える斉木は、ことごとく梢田の出世を妨害し、日常業務に文句をつける。口論しながらも推理を続け、神田御茶ノ 水界隈の難事件迷事件を解決していく。ユーモア・ポリス・ストーリー。(裏表紙)
いやぁ。地元で働くモンとしては、梢
田の災難、というか、笑える境遇は人事じゃねーな。子どもの頃のくそ生意気な自分が、よそでどう思われてたかと思うと、うっかりすま
〜した顔で大口叩けない。ははは。
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2005/03/20更新