夏の名残の薔薇 No.836
いかに、真実に意味がないのか。という話では別にないんだけど、いかに記憶はあいまいか。記憶=真実とは限らないか。という話?変 奏曲から採ったタイトル、章名、挿入される映画のシーンたち。だんだん、どちらを見ているのか、わからなくなります。どちらの、どの 、世界に入っていってよいのか…。(04/11/05)
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恩田 陸
本格ミステリ・マスターズ 文藝春秋 単行本 2004年9月30日第1刷 1,857円+税 引用文献 『去年マリエンバードで /不滅の女』アラン・ロブ・グリエ著 天沢退二郎・蓮見重彦訳(筑摩書房) 解説「心地よく秘密めいた恩田陸」 杉江松恋 恩田陸ス ペシャル・インタビュー 聞き手・杉江松恋 恩田陸著作リスト(2004年9月末日現在) 写真 大嶽恵一 装丁 京極夏彦 wit h Fisco 初出「別冊文芸春秋」245号〜250号
山奥のクラシックなホテルで、毎秋開かれる豪華なパーティ。その年、不吉な前兆とともに、次々と変死事件が起こった。果たして犯人 は……。巧妙な仕掛けで読者に挑戦する渾身の一作 この殺人事件は真実か幻か!(帯)
いかに記憶はあいまいか。と書いてし
まいましたが、考えてみれば、##殺人事件という強烈な記憶##がわずかの間にそこまで、変化するか。
しないだろう。というわけで、別の局面からみたほうがいいんだろうなぁ。次々に起こる殺人事件。次々にいれかわる語り手、そして、次
々に##なぜか、生き返っているというか、なかったことになっている##殺人事件。これが映画だとした
ら、何処を見ればいいのか、誰を見ていればいいのか。大変難解なものだったでしょう。本だからできた形なのか。では、『去年マリエン
バードで』はどう捉えればよいのか。視線が定められない作品でした。
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2004/11/07更新