ねじの回転 FEBRUARY MOMENT No.643
2.26事件ってのを、歴史上のオオゴト。として、とらえたことがなかった。そういうわけなので、非常におもしろかったです。なん というか、正攻法の歴史小説はそれほど好きではないので、こういうののほうが覚えられます。星新一の『城のなかの人』とか。やり直す ことができたら…。という過程をこれほど大規模にするというのがすごい。たいてい、個人が自分の人生をやり直すというだけの前提が多 いけどこれは違う。そこがすごいなぁ。(03/09/13)
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恩田 陸 1964年宮城県生まれ。早稲田大学卒。199 1年『六番目の小夜子』が、1993年『球形の季節』がそれぞれ、第3回、第5回の日本ファンタジーノベル大賞最終候補作に選ばれ、 デビュー。ホラー、SF、ファンタジーとさまざまなジャンルで多彩な創作活動を展開、注目を集める。著書に、『光の帝国 常野物語』 『ネバーランド』『黒と茶の幻想』『ライオンハート』などがある。
集英社 単行本 2002年12月10日第1刷 1,600円 装丁 松田行正 初出 「小説すばる」2000年11月号 より2002年1月号
「不一致。再生を中断せよ。」 近未来の国連によって、もう一度歴史をなぞることになった2.26事件の首謀者たち。彼らは国連の 意図に反して、かつての昭和維新を成功させようとするが。恩田陸渾身の歴史SF大作!(帯)
「本当に、俺たちは負けるんでしょうか?」 「なんだと」 栗原の大胆な発言に、安藤は戦慄した。この先、この男が何を言い出すの かが恐ろしかった。しかし、栗原の発言は、彼の心の声でもあった。恐ろしくても、聞かずにはいられない。 「俺たちは昭和維新に失敗 し、処刑される。そのあとどうなったかは、奴らに聞かされた話でしか知らない。俺たちは、世界の人間を助けるために、もう一度この四 日間をやり直すとしか聞かされていない。この四日間が、歴史の転換点として選ばれたのだと」(本文より)(帯 )
fragment 5に##うちの隣町が出てきてびっくりさ。##ありそうだった未来だなぁ。実際に、本文中の記述そのままではないにし
ろ、##星条旗が市内にはためいていた時期があったので…。ごく最近まで。軍の中継基地(鉄塔だけ)があって
、律儀のもその敷地内にしっかりと。##これがあるおかげで、冷戦当時、最初に狙われる場所の一つと言われていた。その町の高
校に通っていたので、「そーかー。学校にいるときに戦争はじまったら何が起こったかわからないうちに消滅してるんだな」と、なんどか
考えた覚えがある。遠い昔。マツモトがアルベルトに##有名な科学者の子孫かどうか聞いた時、アルバート・ア
インシュタイン##のことかと思った。これは予想がおもしろい方向に外れた。
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2005/02/06更新