リドル・ロマンス 迷宮浪漫 No.542

収録作品  トランス・ウーマン  イリュージョン・レィディ  マティエリアル・ガール  イマジナリィ・ブライド  アモルフ ァス・ドーター  クロッシング・ミストレス  スーサイダル・シスター  アクト・オブ・ウーマン

あいかわらず、哲学書とミステリの中間みたいな。「ハーレクイン」という登場人物の設定が特異。曾根雅子の漫画「呪いの招待状シリ ーズ」みたいだ。正体も似たようなものだったり?さてさて。(03/05/25)

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西澤 保彦  1960年高知県生まれ。米エカード大学創作 法専修卒。 高知大学助手などを経て、執筆活動に入る。 「聯殺(れんさつ)」が第1回鮎川哲也 賞最終候補作となる。 1995年『解体諸因』でデビュー。本格ミステリとしての要素と SF的な設定を融合させた独自の作風で人気 を博している。 著書に『七回死んだ男』『幻惑密室』『依存』『異邦人 fusion(フュージョン )』など多数。

集英社 単行本 2003年3月10日第1刷 1,700円 装画・装幀 大路浩 実 murderous authoress――解説に替えて あるいは西澤さんごめんなさい 篠田真由美

報酬は、あなたの「心」。 あなたの気づかぬ「あなた」を探る。 謎の美形心理探偵(サイコ・ディテ クティヴ)「ハーレクイン」登場!(帯)

早百合は改めて、その男――“ハーレクイン”を見つめた。 流れるような光沢の黒髪が背中まで伸びている。昏(くら)い光をたたえた双眸(そうぼう)、くっきりと形のよい鼻梁、そして 尖った顎(あご)。その口から淀みのない日本語が流れ出てくるのが不思議なくらい彫りの深い顔だ ちをしている。 なんでも願い事を叶(かな)えてくれる“魔法使い”――そう聞いて、ここへやっ てきた。しかし、その噂をいったい誰に聞いたのか、男のオフィスのあるこの高層ビルまで、どうやって辿たどりついたのか、早百合には、どうしても憶(おも)い出せない。 (「イリュージョン ・レィディ」より)(帯)

何か望みを抱いてやってくる客の「本 当の望み」を探り出す探偵。名前もつけたり、「ハーレクイン」。やっぱり人外のモノなんだろうなぁ。


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2004/09/12更新