神のふたつの貌かお No.844
神は何故沈黙しているのか。解釈が次々に登場。語り手が牧師、牧師の息子、信者など。キリスト教を良く知っている人には旧知の解釈 かもしれないけど、自分にとっては割りと新鮮な解釈もありました。受け入れやすさはともかく、おもしろいなと思います。作品全体とし てはうーん。どうでしょう。ちょっと、事件と神の沈黙に関する解釈はうまく擦り合ってない気がします。加害者が語り手である場面であ るに関わらず、「えー…。なんか違うんじゃないの…」という感じがつきまといます。いろいろ盛り込みすぎて上手く言ってないというか 。その辺りを考え込まなければ面白かったと思います。(04/11/15)
貫井 徳郎のページへ 作品名順一覧 かへ 読書日誌へ bk1 amazon
貫井 徳郎 昭和43(1968)年東京都生まれ。早稲田 大学商学部卒業後。平成5(1993)年に、第4回鮎川哲也賞の最終候補作となった「慟哭」で作家デビュー。著書に『プリズム』『好 奇切断譜』『殺人症候群』『被害者は誰?』『さよならの代わりに』などがある。
文春文庫 ぬ 1 1(文藝春秋) 文庫 2004年5月10日第1刷 本体590円+税 カバー写真・人形制作 恋月姫 写真撮 影 片岡佐吉 カバー装丁 関口聖司 「解説――神・人間(ひと)・人形(ひとがた)」 鷹城宏 平成13年9月文藝春秋より単行本(bk1 amazon)刊行
初出 「別册文藝春秋」 全能者――神のふたつの貌 第一部(1999年夏(第228)号) 絶対者――神のふたつの貌 第二部(2000年春(第231)号) 超越――神のふたつの貌 第三部(2001年春(第225)号)
『慟哭』を凌ぐ最高傑作、ついに文庫化! “沈黙する神”の声を求めて荒野をさすらう魂の叙事詩(帯)
人が死に怯える感覚は、消滅への恐怖か、それとも死に際の苦痛を恐れるのか。死に痛みが伴わなければ、人は死を恐れないか。早乙女 にとって、この世はあまりにも多くの疑問に満ちていた。ただひとり、その疑問に答えてくれるはずの神の声を、早乙女は未だ耳にしてい ない。神は蛙と同じように、永遠の沈黙を守っている。(第一部「全能者」より)(帯)
――神の声が聞きたい。牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を血 に染める殺人者への道だった。三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは? 巧緻な仕掛けを駆使し、神の沈黙≠ニいう壮大なテ ーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」。 解説・鷹城 宏(裏表紙)
まぁ…。神も理由にされたくなかった
と思うけどね。神じゃないから知らないけど。
著者名順一覧 ぬ 本棚 上 中 下
2005/03/13更新