六の宮の姫君 A GATEWAY TO LIFE No.289
英題、「A GATEWAY TO LIFE」人生の門出。誰が、考えるんだろ。これ。解説者は、これを人生の門出。としているが 、読み終わったとき、芥川・菊地の作品の印象がなかなかに強烈だったため、「卒業して社会へ出て行く主人公の」人生の門出、というよ りは、A GATEWAY TO LIFE AFTER THIS LIFEという意味の題か。と思ってしまった。もしかしたら、両 方兼ねて・・・たりなんかしないだろーな。素直に読もう。(02/06/11)
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北村 薫 1949年埼玉県に生まれ。早稲田大学第一文学 部卒業。89年、「空飛ぶ馬」でデビュー。91年、「夜の蝉」で第44回日本推理作家協会賞を受賞。
創元社推理文庫 M き 3 4(東京創元社)413 04 文庫 1999年6月25日初版 480円 カバーイラスト 高野文 子 カバーデザイン 小倉敏夫 解説 佐藤夕子 献辞 友に―― 1992年4月東京創元社より単行本(bk1 amazon)刊行
『空飛ぶ馬』『夜の蝉』『秋の花』に続く〔円紫師匠と私〕シリーズの第四作『六の宮の姫君』は、わが国には稀な書誌学のミステリー といっていい。これはなんと、芥川龍之介の短編「六の宮の姫君」が書かれた意図をめぐって推理するだけの話なのだ。その大胆な発想に まず唸るが、すごいのは芥川の作品や手紙、他の作家の作品などを全集や雑誌にあたるヒロインの推理がすごぶるスリリングであること。 書誌探索の旅そのものがミステリーに富んでいるからだろうが、それを結実させたのはこよなく本を愛する著者ならではの手腕といってい い。 北上次郎(P1)
最終学年を迎えた《私》は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアル バイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。《あれは玉突きだね。……いや、というよ りはキャッチボールだ》――王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、《私》の探偵が始まった……。(裏表紙 )
すごい。卒業論文を書くってのは、大
変なんだ。いや、一応、卒業論文書いて卒業したつもりなんだけど、こんなに大変にしなかったなぁ。別の先生に出したレポートをがんば
って引き伸ばして、規定のページ数を埋めた。ってだけで。ま、一応、何度も何度何度も何度もも対象とした本は読んだけど。芥川の「六
の宮の姫君」が書かれたわけ、##この結論だと、キャッチボールじゃなくて、玉突きだと思う。芥川は、玉を返
して欲しくて、菊地にさらに反証して欲しくて、または、自分の意見を肯定して菊地の方向転換を示す文を手がけて欲しくて放ったんじゃ
ーないかなー。ただ、その玉は、(おそらく)帰って来ず、疎遠になった。でも、玉が帰ってくるのを待って、死の間近までその機会を待
った。でも、どんな形ででも、帰ってこなかった。##ってことじゃないかな〜。という卒論を書いちゃったら、鋏と糊になっちゃ
うかな。まー、今更入学することもないから卒業もしないけど。
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2005/03/27更新