蜻蛉kagerou始末 No.537

謎解き物系統ばかりを読んでいたので、歴史モノ?ということを想像してなかった。地理的に同和鉱業とか藤田観光とかがピンと来ない 。政治史に出てくる人物達はなんとなくわかるんだけど…。物語としては、大変、楽しみました。江戸→明治の激変の時代ってのが 。(03/05/14)

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北森 鴻  一九六一年、山口県生まれ。駒沢大学文学部卒。 編集プロダクション勤務を経て、執筆活動に入る。一九九五年、明治初期の名優澤村田之助を素材にした時代推理「狂乱廿四考」で第六回 鮎川哲也賞受賞。一九九九年、「花の下にて春死なむ」で第五二回日本推理作家協会賞を受賞。主な著書に「狐罠」「凶笑面」「顔のない 男」等がある。

文藝春秋 単行本 平成13年6月25日第1刷 1,857円 装幀 大久保明子 装画 門坂流 表紙・帯写真 松本清張記念館所 蔵 初出 別册文藝春秋232号〜235号

明治十二年、今をときめく政商・藤田傳三郎に 突然襲いかかった贋札作りの疑惑! 時の明治政府を震撼させた 藤田組贋札事件の真 相とは。 維新前後の激動の中で<光>と<影>の宿命を負った二人の友情と別離、そして対決。(帯)

「市中におかしな噂が広まっている」 「おかしな噂?」 「札の地紋の端に舞う 蜻蛉の、脚が一本 足りないというのだ。 それが 贋札の 見分け方だと」(帯)

このひたむきに傳三郎を慕うとんぼが どうして対決を選ぶのか。そのあたりはハイライト。かなぁ。あと、蜻蛉を表題ではかげろうと読ませ、とんぼ、とんぼと作中で宇三郎を 呼ぶのは何故だ。


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2005/01/03更新