猫が嗤わらった No.676

収録作品  耳を噛む犬  嗤わらう鳥  猫の中身  憂鬱ゆ ううつな犬  蛇へびのような……  猫は見たか  炎を吐いた猫

話はおもしろいんだけど、終わりが好きじゃない〜。というか、後味がいい話が少ない。犬、猫、鳥と、わりと身近な動物が登場するの はよかった。1話だけ蛇もあるけど。動物のミステリーに走らず、人間の話を獣医を絡ませて書いている。というスタンスは好きです。好 きじゃないといいつつ、続編があれば読むでしょう。(03/11/08)

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日下 圭介  「動物をどう事件に絡めるか、苦心の連続だっ た。しかしそれだけに、書く愉(たの)しみも格別大きかった」本格推理の名手として次々傑作を生 み出している氏が、綿密な取材と資料分析で拓(ひら)いた本邦初の本格動物(ペット)ミステリーが本書である。殺人や密室トリック、鉄壁のアリバイ等を見事に解き明かす美人獣医の活躍は、 必ずや読者を謎解きの魅力で興奮させるだろう。昭和十五年東京に生まれ、和歌山、山口で少年時代を送る。早稲田大学第一商学部卒後、 朝日新聞入社。昭和五十年『蝶たちは今……』で第二十一回江戸川乱歩賞受賞。昭和五十七年日本推理作家協会短編賞受賞。近著に『密 室(エレベーター)20秒の謎』(ノン・ノベル/小社刊)『危険な関係』(ノン・ポシェット/小 社刊)等がある。 (著者近影・撮影 近藤陽介)(裏表紙見返し)

本格推理小説 ノン・ノベル N−314(祥伝社) 新書 平成2年1月30日初版第1刷 699円 カバーイラスト 伊藤憲治  本文イラスト 村田要 カバー構成 EE大林真理子

初出  「小説NON」(祥伝社) 耳を噛む犬(1987年9月号) 嗤う鳥(1988年1月号) 猫の中身(1988年 8月号) 憂鬱な犬(1989年1月号) 蛇のような……(1989年6月号) 猫は見たか(1989年10月号) 炎を吐いた猫( 1990年2月号)

<著者のことば>ペット・ミステリーである。書こうと思い立って、動物病院へ足を運び、知識をいただいた。ついには動物の心が知り たくてひと気(け)のない公園を、這うようにしてうろついてみた。心は分からなかったが、視線の 違いに驚いた。普段、見えている物が見えず、見えなかった物が見えてきた。 七つの事件が起きる。鍵をにぎるのは、もの言わぬペット たち。事件を紡(つむ)ぐのは、動物病院の若き女医、栃尾彩子(と ちおあやこ)である。彼女は動物の視線になり、いたわり、時には文字どおりメスを振るって、真相を導き出す。事件が見え、その 向こうに、さまざまな人間の生きようが浮かんでくる。意図(いと)したとおりの作品になったと、 自分では思っている。(見返し)

本邦初の本格動物(ペット)ミステリーの傑作誕生!(見返しの著者作品案内)

本邦初の本格動物(ペット)ミステリーの傑作誕生!(巻末の著者作品案内)

(えのき)動物病院の美人獣医栃尾彩子(とちおあやこ )のもとに、火傷(やけど)の猫を抱いた少年がやって来た。偶然、通りかかった民家の焼 け跡(あと)で拾ったという。翌日、今度は刑事が訪れた。その少年に放火の疑いがあるという。不 審に思う彩子は少年の無実を証明すべく、調べ始めた。すると、家人が旅行中でべットの猫しかいない状況下で、室内から出火したことが 判明した。いわば現場は密室だったのである。彩子の疑問はさらに強まった。全てを焼失し、悲しみにくれているはずの被害者の子供達の 意外な明るさと笑顔。果たして誰が? 何の目的で? いかなる方法で放火したのか? 愛すべき犬、猫、鳥と交差する人間の殺意。あな たを謎解きの知的興奮に誘う本邦初の動物(ペット)ミステリー誕生!(裏表紙 )

彩子の視点がどーも冷たいような気が してしまう。まぁ、それがなければおもしろい。bk1、Amazonとも表紙画像なし。


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2004/11/07更新