密室エレベーター20秒の謎 No.837

リゾート・マンションがさらっと人を雇ったり、電話をかけるのに公衆電話を探したり。ある程度時代色はあるものの、わりと、スピー ド感のある展開でした。登場人物画ちょっと、多くて覚え切れない感あり。覚えきらなくても、おもしろいけど、なんだっけ?誰だっけ? と、振り返って探すことが多かった。物覚えがイイヒトならいいんだろうけどね。(04/11/06)

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日下 圭介  綿密な取材を重ね、じっくりと執筆に取り組む 姿勢を貫(つらぬ)き通す氏は、常に斬新(ざんしん)なア イデアを盛り込んで、本格派のミステリーファンを唸(うな)らせる傑作を生み出しつづけている。 本書も、秀逸な密室(エレベーター)トリックを駆使し、日本の伝統文化である野鳥の鳴き合わせ ≠背景にした風雅な本格推理であり、氏の新境地を示す作品である。昭和十五年に東京に生まれ、和歌山、山口で少年時代を送る。早稲 田大学第一商学部を卒業後、朝日新聞社に入る。昭和五十年、『蝶たちは今……』で第二十二回江戸川乱歩賞を受賞。五十七年には日本推 理作家協会短編賞を受賞する。近著に『笛の鳴る闇』(ノン・ノベル祥伝社刊)『黄金列車を狙え』『野菊の墓℃E人事件』等がある。 (著者近影・撮影 近藤陽介)(裏表紙見返し)

本格推理小説 ノン・ノベル N−285(祥伝社) 新書 平成元年3月1日初版第1刷発行 720円(本体699円) カバーイ ラスト 伊藤憲治 本文イラスト 小松久子 カバー構成 EE大林真理子

<著者のことば>エレベータ―。あの究極の密室で、事件が連発する――。前から温めていたテーマだが、知り合いの刑事に話してみて 驚いた。現実に、犯罪が多発し、対策に頭を痛めているというのだ。小鳥の囀(さえず)りが、悲劇 を呼ぶ――。これも実際にあったことだ。過去の話だと思っていたら、また復活の兆(きざ)しがあ ることが、取材の過程で分かった。 そうなると、料理法≠ノ迷ってしまう。犯罪者の参考書にされてはかなわない。そこでシャガール の絵を思い浮かべながら、書き進めることにした。あの幻想性、ユーモア、メランコリイ。私の作品の中では、異色の味付けになったと思 う。(見返し)

鳥の鳴き合わせ≠ニエレベーター殺人の怪!(見返しの著者作品案内)

鳥の鳴き合わせ≠ニエレベーター殺人の怪!(巻末の著者作品案内)

「なぜ、エレベーターで首吊り自殺を……」鳴沢鮎子(なるさわあゆこ)は恋人変死の真相を探 るため、現場となった富士山麓のリゾートマンションでアルバイトを始めた。が直後、鮎子に事件を調べるなという脅迫電話が入った。そ して住人の穴吹清(あなぶききよし)が、同じエレベーターで刺殺されたのである。同乗者のいない 死体だけのエレベーター。しかも十一階から一階へ直降するわずか20秒間に、どのようにして殺人は行なわれたのか? 凶器は何か、どこ にあるのか? 恋人の自殺と穴吹惨殺のつながりは? 混迷する捜査陣を尻目に、やがて第三、第四の事件が……。日本の伝統文化鳥の鳴 き合わせ≠ノ材を採(と)り、名手が新境地を切り拓く書下ろし本格推理の傑作!(裏表紙 )

出だしがかなり唐突でしたが、まぁ、 だいたい、話は追って行けました。出だしの唐突さはもしかして、著者が意図した「幻想性」と絡んでるのかもしれないですね。三井刑事 には、受難でした。bk1、Amazonとも表紙画像なし。


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2004/11/07更新